唇顎口蓋裂術後患者に対するLe Fort I型骨切り術と顎裂部骨移植の同時手術について
唇顎口蓋裂患者の顎変形の主体は上顎骨の前下方への成長抑制であることから, Le Fort I型骨切りによる上顎骨前方移動術がしばしば行われる. 本手術によりalveolar collapseを同時に修正することができるが, Le Fort I型骨切り術を施行すると, 術後にしばしば大きな鼻口腔瘻が発生する. したがって骨切り術後に最終処置として鼻口腔瘻の閉鎖ならびに術後の後戻り予防を目的として顎裂部骨移植が必要となる. しかしLe Fort I型骨切り術と顎裂部骨移植の2回にわたる手術は患者に対する心理的影響が大きく, 時間的ならびに経済的負担も少なくない. そこで私たちはLe Fort I型...
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Zusammenfassung: | 唇顎口蓋裂患者の顎変形の主体は上顎骨の前下方への成長抑制であることから, Le Fort I型骨切りによる上顎骨前方移動術がしばしば行われる. 本手術によりalveolar collapseを同時に修正することができるが, Le Fort I型骨切り術を施行すると, 術後にしばしば大きな鼻口腔瘻が発生する. したがって骨切り術後に最終処置として鼻口腔瘻の閉鎖ならびに術後の後戻り予防を目的として顎裂部骨移植が必要となる. しかしLe Fort I型骨切り術と顎裂部骨移植の2回にわたる手術は患者に対する心理的影響が大きく, 時間的ならびに経済的負担も少なくない. そこで私たちはLe Fort I型骨切り術, 顎裂部骨移植ならびに鼻口腔瘻閉鎖術を同時に行い, 比較的良好な結果を得ているので, その概要を報告した. 唇顎口蓋裂患者に対するLe Fort I型骨切り術施行症例は47例で, これらのうちLe Fort I型骨切り術と顎裂部骨移植術の同時手術を行ったものは29例で, 内訳は片側唇顎口蓋裂患者が26例, 両側唇顎口蓋裂患者が3例であった. また本手術と下顎枝矢状分割法による上下顎移動術を行ったものは23例, 本手術と下顎前方歯槽部骨切り術を同時に行ったものは3例, Le Fort I型骨切り術単独は3例であった. なお本法施行後に明らかな後戻りを示したものは2例であったが, いずれも下顎の後戻りによるものであった. 質問 阪大, 歯, 2口外 森悦秀 ブロック骨移植を行った際には吸収の問題になると考えますが, 吸収を防ぐ処置をなさっているようなら御教示下さい. 回答 東歯大, 2口外 齊藤力 移植骨のレベルの低下は, 顎裂部骨移植のみの症例と比較して, 特に大きい傾向はみられなかった. 質問 阪大, 歯, 2口外 南克浩 1. 顎裂閉鎖とLe Fort I型骨切り術と同時に行った症例は, 通常のsecondury bone greft(交換期に行う)が何らかの事情で施行されなかった症例と考えてよいのでしょうか. 2. 上顎骨移動と骨移植を同時に行った場合, 上顎のstabilityが充分でないために, 通常の骨移植と比べて形成された骨のレベルに差が生じないのでしょうか. |
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ISSN: | 0916-7048 |