顎変形症の遺伝的解析‐HLAを指標とした家族内の遺伝的解析
[目的]顎変形症の遺伝的因子について検討したものはない. 近年, 免疫遺伝学的な方面から遺伝マーカーの検索が行なわれている. 特にマウスでは, 口蓋裂に関してコーチゾン誘発性CPの頻度に違いがありその感受性の決定因子として主要組織適合抗原系であるH-2複合体が関与していることが報告された. またマウスにおいて尾の長さの決定のみならず固体発生そのものにも関与するT遺伝子がH-2に連鎖して存在することが知られるようになった. そこで今回家族性について, 顎変形症とHLAとの遺伝連鎖解析を行い検討した. [対象と方法]対象は遺伝性の認められた5家系である. 親子発症4家系と同胞発症1家系についてHL...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | [目的]顎変形症の遺伝的因子について検討したものはない. 近年, 免疫遺伝学的な方面から遺伝マーカーの検索が行なわれている. 特にマウスでは, 口蓋裂に関してコーチゾン誘発性CPの頻度に違いがありその感受性の決定因子として主要組織適合抗原系であるH-2複合体が関与していることが報告された. またマウスにおいて尾の長さの決定のみならず固体発生そのものにも関与するT遺伝子がH-2に連鎖して存在することが知られるようになった. そこで今回家族性について, 顎変形症とHLAとの遺伝連鎖解析を行い検討した. [対象と方法]対象は遺伝性の認められた5家系である. 親子発症4家系と同胞発症1家系についてHLAおよびDNAタイピングを行った. HLAタイピング:比重遠心法によりリンパ球を分離し, カラム法によってB細胞を分離した. 抗HLA血清と補体を用いたリンパ球傷害試験により判定した. 抗HLA抗体は, ワークショップにより解析された抗血清を含むトレイおよびTerasaki DRwトレイを使用した. DNAタイピング;PCR-RFLP(polymerase chain reaction-restriction fragment length polymorphism)法を用いた. 末梢血リンパ球または保存リンパ球よりDNAを抽出し, group-specific primerを用い, DRB1遺伝子を増幅した. 続いて増幅DNAを各種制限酵素で切断泳動し, RFLPパンドパターンでタイピングを行った. [結果]親子発症4家系の発症者は, いずれもそれぞれの家系に特有なハプロタイプを持っていた. また同胞発症1家系においても発症者に共通したハプロタイプが認められた. |
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ISSN: | 0916-7048 |