下顎枝矢状分割術による神経障害の防止に関する研究 第1報:三叉神経感覚誘発電位測定の応用
今回われわれは矢状分割による神経障害の原因を検証し, 発生予防の方法を考案するため, 手術中に三叉神経神経感覚誘発電位(Trigeminal Somatosensory Evoked Potentials:TSEP)測定を行い手術操作のどの段階でどのような操作が強く影響しているのかを調査した. 対象および方法:両側の下顎矢状分割術が行われた下顎前突症患者8名16側. 分割方法はEpkerの提唱した矢状分割変法, 骨接合術はチタン製ミニプレートおよびスクリューによる外側皮質のみの固定である. TSEPの測定は麻酔導入後, 内側組織の剥離後, 骨分割直後, 骨接合後とした. その他の観察項目は左右...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 1996, Vol.6 (2), p.261-261 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 今回われわれは矢状分割による神経障害の原因を検証し, 発生予防の方法を考案するため, 手術中に三叉神経神経感覚誘発電位(Trigeminal Somatosensory Evoked Potentials:TSEP)測定を行い手術操作のどの段階でどのような操作が強く影響しているのかを調査した. 対象および方法:両側の下顎矢状分割術が行われた下顎前突症患者8名16側. 分割方法はEpkerの提唱した矢状分割変法, 骨接合術はチタン製ミニプレートおよびスクリューによる外側皮質のみの固定である. TSEPの測定は麻酔導入後, 内側組織の剥離後, 骨分割直後, 骨接合後とした. その他の観察項目は左右第1大臼歯での後方移動量, 下顎管の破壊による神経血管束の露出の程度, 術後問診による麻痺の有無として各段階評価した. 結果:すべての神経においてTSEPは分割直後に電位が低下したか測定されなくなった. 特に術後早期より麻痺があった10側中9側に認められなくなった. また移動量が少ない方が, あるいは神経血管束の露出がない方が術後早期の麻痺の発現頻度は少なかった. 考察:TSEPの反応の有無から, 操作手順上は分割直後に神経の伝達が障害されていることがわかった. その原因としては移動量や神経の露出が見られても下歯槽神経を直接的に損傷しているわけではなく, 骨の分割という操作に過敏に反応して障害されやすい場合がある可能性が考えられた. 質問 新潟大, 歯, 1口外 中島民雄 1. 矢状分割するときにどのような器具を用いてどのようにされていますか. 2. CTで外側骨皮質を下顎骨の接近しているものは明らかに神経障害の出る程度が高いのですか. 神経が露出して麻痺のない症例はあったでしょうか. 回答 横浜市大, 口外 青木伸二郎 1. 皮質部はマイクロオステオトームを使用しその後は先端, 鈍のオステオトーム, エレバラスパトリウムでトルグにて分離している. 2. 下顎管の壁が壊れて神経が露出することだけでは説明しにくい. そのことでなぜ神経障害が生じるのかが問題と考えている. |
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ISSN: | 0916-7048 |