下顎前突症患者の下顎張反射について

[目的]顎顔面変形症は, 成長期に機能的な影響を強く受けていると思われる. われわれは顎変形症患者の咬筋について組織化学的検索を行い, 正常者に比べて差があると報告した. そこで今回, 下顎前突症患者と正常者の閉口筋の興奮性に差があるか否かを明らかにするために下顎張反射を指標として検討した. [対象および方法]対象は, 下顎前突症患者11例(男性:5例, 女性:6例, 平均年齢22.6歳)で, 対照は, 顎変形を認めない個性正常咬合者20例(男性:10例, 女性:10例, 平均年齢24.3歳)である. マイクロスイッチ内蔵のリフレックスハンマーでオトガイを叩打し, 下顎安静位での下顎張反射を誘...

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Hauptverfasser: 横浜恵子, 北川善政, 小笠原利行, 山田哲史, 山本祥子, 石井保雄
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:[目的]顎顔面変形症は, 成長期に機能的な影響を強く受けていると思われる. われわれは顎変形症患者の咬筋について組織化学的検索を行い, 正常者に比べて差があると報告した. そこで今回, 下顎前突症患者と正常者の閉口筋の興奮性に差があるか否かを明らかにするために下顎張反射を指標として検討した. [対象および方法]対象は, 下顎前突症患者11例(男性:5例, 女性:6例, 平均年齢22.6歳)で, 対照は, 顎変形を認めない個性正常咬合者20例(男性:10例, 女性:10例, 平均年齢24.3歳)である. マイクロスイッチ内蔵のリフレックスハンマーでオトガイを叩打し, 下顎安静位での下顎張反射を誘発, 左右の側頭筋, 咬筋から表面筋電図を双極誘導法により導出し, 増幅記録した(時定数:0.03sec). Mac Lab(ADI社製)を用い解析し(サンプリングレート:40kHz), 下顎張反射のLatency, peak-to-peak Amplitudeを測定した. [結果]下顎前突症患者のLatencyは正常者に比べて短い傾向を示した. このことから下顎前突症患者の閉口筋の緊張度の亢進が示唆された. 質問 日歯大, 2口外 横沢茂 1. オトガイを叩打する強さのばらつきで差はでるのかどうか. 2. 差が出る場合, 方法はどうされているのか, 御教授下さい. 回答 福丼医大, 歯口外 横浜恵子 下顎張反射を誘発する際のオトガイ叩打は強さにより差(Amplitudeの)はありますが, 同じような波形を今回検定しています. 回答 福井医大, 歯口外 北川善政 リフレックスハンマーによるオトガイ叩打は規格化していないので, 強さに多少ばらつきがあるが, 1秒おきに30~40回叩打するとほぼ同じ強さで叩打できていると思われる. Amplitudeのばらつきは多少あるがLatencyのばらつきは少ない結果であった. 質問 大歯大, 1口外 覚通健治 側頭筋の組織化学的所見と側頭筋の下顎張反射による緊張度とには関係があるのか否かについて教えて下さい. 回答 福井医大, 歯口外 北川善政 顎変形症における側頭筋の組織化学のデータはもっていませんが, 咬筋とほぼ同様の組織化学的特徴と思われます. 下顎張反射と組織化学との関係づけはもう少し検討する必要がある.
ISSN:0916-7048