外科的矯正術後の骨切り部のCTによる経過観察‐下顎枝矢状分割法と下顎枝垂直骨切り術の比較検討
顎変形症に対する外科的矯正手術として下顎枝矢状分割法, 下顎枝垂直骨切り術が応用されているが, その術式の違は, 術後の顎間固定期間, 矯正治療期間等に影響を与えるもので, 外科的矯正手術後の治療計画には重要なポイントとなってくる. 今回, 術後の症例に対してCT撮影を行い, 下顎枝矢状分割法, 下顎枝垂直骨切り術における骨切り部の治癒状態の変化を検索したので報告する. 症例は1994年7月から1995年12月まで, 朝日大学附属病院にて, 外科的矯正手術を施行したうちの19症例である. CTの撮影には東芝社製X visionヘリカルCTを使用した. 結果:1. SSROでは, 術後2ヵ月目頃...
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Zusammenfassung: | 顎変形症に対する外科的矯正手術として下顎枝矢状分割法, 下顎枝垂直骨切り術が応用されているが, その術式の違は, 術後の顎間固定期間, 矯正治療期間等に影響を与えるもので, 外科的矯正手術後の治療計画には重要なポイントとなってくる. 今回, 術後の症例に対してCT撮影を行い, 下顎枝矢状分割法, 下顎枝垂直骨切り術における骨切り部の治癒状態の変化を検索したので報告する. 症例は1994年7月から1995年12月まで, 朝日大学附属病院にて, 外科的矯正手術を施行したうちの19症例である. CTの撮影には東芝社製X visionヘリカルCTを使用した. 結果:1. SSROでは, 術後2ヵ月目頃に外側骨片と内側骨片との間に骨様組織での結合を思わせる像が観察されるようになり, 4ヵ月目で, 両骨片間の骨皮質に連続性が認められた. 2. IVROでは, 術後6ヵ月目で, 両骨片間の骨皮質に連続性が観察されるようになる部位もあるが, 12ヵ月目でも骨片の離開した部においては, 骨皮質に連続性が認められず, 18ヵ月目においてもその所見に大きな変化は認められなかった. 以上のことより, 下顎枝矢状分割術では術後4ヵ月, 下顎枝垂直骨切り術では約6ヵ月目に骨片間の骨皮質の連続性が確認された. このことは, 術後の顎間固定期間, 矯正治療期間等の外科的矯正手術後の治療計画に参考になるものと考えている. 質問 愛院大, 歯, 2口外 阿部本晴 下顎枝垂直骨切り後, 初期の頃に於いて下顎運動をさせた場合, 骨片間で動きが認められるのかどうか. とくにclosed lock caseに於いては如何. 回答 朝日大, 口外 永原國央 下顎枝垂直骨切り部周囲の筋肉による両骨片の固定とCTでは確認できない化骨状態が両骨片を固定していると考えられますので, 顎間固定を除去しても両骨片がバラバラであることは考えられません. 質問 名大, 口外 澤木佳弘 1. つねづね一度見てみたいと思っていたところなので興味深く拝聴しました. ただ患者が若い女性が多いことと, 3次元CTのため撮影に要する被曝量のことを考えた時, 本検査はルーティンに行うべきものか疑問に感じます. 今後も続けられる予定でしょうか. 2. 発表の中で下顎枝矢状分割法と下顎枝垂直骨切り術というように「法」と「術」を使いわけておられますが, 用語上何か意味があるのでしょうか. 回答 朝日大, 口外 永原國央 1. CTの撮影には患者への説明を十分に行い術前のCTは全症例に行い, 術後の撮影は1人の患者に対し1回を限度として術後2ヵ月目を撮影すればそれでその患者は撮影しないという事で19症例から個々のCT像を得ることにより, 今回の発表のデータとして発表さすていただきました. 今後は同様な撮影を行う事は考えておりません. 2. 矢状分割法, 垂直骨切り術の用語はわれわれの施設で習慣的に用いているもので先生のいわれるとうり矢状分割術, 垂直骨切り術とすべきであると思います. |
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ISSN: | 0916-7048 |