当科でのTMDを有する患者に対する外科矯正

顎変形症患者は咬合の不調和を有すること, また外科的顎矯正が顎関節に少なからず影響を与えることなどから, 一般にTMD(Temporomandibular Dysorder)を生じる可能性が高いと考えられている. しかしながら, TMD発症の原因, 顎矯正手術が顎関節に与える影響とTMD発症の関係は明確ではない. また臨床的には, TMDの予防法, 治療法および治療時期の決定などは外科的顎矯正を行う上で非常に重要な問題であるが, 十分な議論はなされていないのが現状である. そこで当科で顎矯正手術を施行した症例において, 術前TMDの発症頻度と症型分類, 顎矯正手術前後の症状の変化等を検索し,...

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Hauptverfasser: 森悦秀, 菅原利夫, 南克浩, 三島克章, 塚本雄一, 宮島貴博, 山田朋弘, 京本博行, 清水英孝, 作田正義
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:顎変形症患者は咬合の不調和を有すること, また外科的顎矯正が顎関節に少なからず影響を与えることなどから, 一般にTMD(Temporomandibular Dysorder)を生じる可能性が高いと考えられている. しかしながら, TMD発症の原因, 顎矯正手術が顎関節に与える影響とTMD発症の関係は明確ではない. また臨床的には, TMDの予防法, 治療法および治療時期の決定などは外科的顎矯正を行う上で非常に重要な問題であるが, 十分な議論はなされていないのが現状である. そこで当科で顎矯正手術を施行した症例において, 術前TMDの発症頻度と症型分類, 顎矯正手術前後の症状の変化等を検索し, 手術術式や骨片接合法等との関係を検討した. また, 術前後X線写真による下顎窩に対する下顎等の位置変化の検討も行った. 対象は各治療ステージでの顎関節の診査結果の記載が明確な124症例とした. 術前になんらかのTMDの症状が見られたものは38例で, 術後それぞれの症状の改善59%, 軽減9%, 不変26%, 変化2%, 悪化2%であった. 術後にTMDの症状が出現したものは3例であった. 今回の検討では下顎枝矢状分割法を用いた症例が90%以上を占めていたが, 当科の治療システムでは術後顎関節症状の発現が少ないことが示された. 質問 東医歯大, 2口外 原田清 近位骨片を復位してネジ止めを行ったSSRO症例と復位ネジ止めを行わなかったSSRO症例とで, TMDの発症頻度に差があったでしょうか. 回答 阪大, 2口外 森悦秀 wire固定4例, ミニプレート1例, それ以外はスクリュー固定です. スクリュー固定の場合, wireに比べて, 長期に症状の変化があるような印象を受けました. 質問 慈恵医大, 歯科 鮎瀬公彦 TMDを有する患者の場合は特別な近位骨片の位置ぎめ法を用いているか. 回答 阪大, 2口外 森悦秀 顎関節症状をもつ患者に対しても基本的に顎関節の位置を保存し, 術後, TMJの症状に対応するようにしています. CRスプリントの使用も一部試みていますが, 現在のところ, 必ずしも良好な結果を得ていない印象があります.
ISSN:0916-7048