外科矯正治療の術後成績と患者の満足度の関連性について

「緒言」 近年, 顎矯正手術の進歩に伴い, 顎変形症患者の顔貌ならびに咬合の不調和を大きく改善することが可能となった. このような治療による顎顔面骨格の変化とこれに伴う顔貌の変化は, 患者の心理に大きな影響を与える1, 2)ことから, 顎矯正手術による顔貌の変化を患者自身がどのように認識しているかを正しく把握しておくことが重要である. 顎矯正手術の結果に関する患者の認識について, 山田3-6)は下顎前突患者を対象に質問紙法調査を行い, 顔面変形の高度な患者ほど術後に情緒不安が減少し, 行動パターンが外向性へと変化する傾向があるものの, 術前の顔面変形の程度と手術前後の顔貌に対する自己評価に有意...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 1996/04/30, Vol.6(1), pp.51-62
Hauptverfasser: 永金, 則子, 岩見, 優子, 井藤, 一江, 下田, 美和, 八塚, 尋子, 梶山, 佳代, 天野, 有希, 丹根, 一夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」 近年, 顎矯正手術の進歩に伴い, 顎変形症患者の顔貌ならびに咬合の不調和を大きく改善することが可能となった. このような治療による顎顔面骨格の変化とこれに伴う顔貌の変化は, 患者の心理に大きな影響を与える1, 2)ことから, 顎矯正手術による顔貌の変化を患者自身がどのように認識しているかを正しく把握しておくことが重要である. 顎矯正手術の結果に関する患者の認識について, 山田3-6)は下顎前突患者を対象に質問紙法調査を行い, 顔面変形の高度な患者ほど術後に情緒不安が減少し, 行動パターンが外向性へと変化する傾向があるものの, 術前の顔面変形の程度と手術前後の顔貌に対する自己評価に有意の関連性はなかったと報告している. しかし, 手術による顎顔面形態や顔貌の変化の程度と, それに対する患者の認識との関連性についての詳細な検討はなされていない. 本研究では, 顎矯正手術を適用した下顎前突患者に対する質問紙法調査により, 手術による顔貌の変化についての患者自身の認識を把握し, さらにこれらの結果と手術による顎顔面形態の変化との関連性を明らかにすることを目的とした.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd1991.6.51