顎変形症患者の咬合力および咬合接触面積に関する研究(第1報)
今回, 私たちは顎変形症患者の治療前後の咬合に関する特徴を把握するために, 顎変形症患者の手術前における咬合力および咬合接触面積について個性正常咬合者のそれと比較検討を行ったので, その概要を報告した. 被験者は東京歯科大学千葉病院口腔外科および矯正歯科にて外科的矯正術の適応と診断された顎変形症患者, 男13女20名計33名(平均年齢22.8歳)である. これらを上下顎の咬合関係により反対咬合群, 交叉咬合群, 反対+交叉咬合群に分類し比較検討した. なお, 対照には顎口腔系機能に異常を認めない個性正常咬合者男17名女14名計31名(平均年齢23.7歳)を用いた. 試料の採取および解析は富士フ...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 1995, Vol.5 (2), p.326-326 |
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Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 今回, 私たちは顎変形症患者の治療前後の咬合に関する特徴を把握するために, 顎変形症患者の手術前における咬合力および咬合接触面積について個性正常咬合者のそれと比較検討を行ったので, その概要を報告した. 被験者は東京歯科大学千葉病院口腔外科および矯正歯科にて外科的矯正術の適応と診断された顎変形症患者, 男13女20名計33名(平均年齢22.8歳)である. これらを上下顎の咬合関係により反対咬合群, 交叉咬合群, 反対+交叉咬合群に分類し比較検討した. なお, 対照には顎口腔系機能に異常を認めない個性正常咬合者男17名女14名計31名(平均年齢23.7歳)を用いた. 試料の採取および解析は富士フィルム社製咬合力測定システム(デンタルプレスケール50H(R-Type)および専用評価装置FPD-703)を用い, 咬頭嵌合位における最大咬みしめ時の咬合力, 咬合接触面積および平均咬合圧を調査項目とした. 反対咬合群, 交叉咬合群, 反対+交叉咬合群はいずれも咬合力, 咬合接触面積において対照群よりも有意に小さかったが, 性別には有意差は認めなかった. また, 反対咬合群では術前矯正未治療患者の方が術前矯正終了患者より咬合力, 咬合接触面積において有意に大きな値を示した. しかし, 交叉咬合群, 反対+交叉咬合群における下顎の偏位, 非偏位側間には咬合力, 咬合接触面積ともに有意の差は認められなかった. 質問 大阪歯大, 矯正 飯田拓二 反対咬合患者の矯正治療後の咬合力の値が低いとあるが, 矯正前と比べてかなり良くなったのか, そのままなのか, わからないのでお聞かせ下さい. 回答 東京歯大, 2口外 須賀賢一郎 今回, 計測を行ったものは術前矯正未治療患者, 術前矯正治療終了患者は同一の患者における比較ではない. また, 術前矯正治療終了患者は手術後の良好な咬合関係を目標として歯牙移動を行っているため術前矯正未治療患者よりも咬合力咬合接触面積は小さな値を示したものと考えられる. 質問 大阪歯大, 矯正 深井統久 1. 結果の一つに術前矯正の有無による値をあげられていましたが, 各不正咬合者の測定値において, 矯正治療の有無が含まれているのでしょうか? 回答 東京歯大, 2口外 須賀賢一郎 各群における術前測定結果では術前矯正治療終了患者および今後術前矯正治療を行う予定の患者も含まれている. |
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ISSN: | 0916-7048 |