顎変形症患者の経時的咬合圧変化

顎変形症患者における, 手術後の機能変化の大きいことは広く知られています. その中には種々の筋肉の力の結果として現わされる咬合力の研究があります. しかし, 従来より咬合力の研究の多くはトランジューサーを用いられていますが, この方法は個々の歯を測定することはできましたが, より生理的な状態である歯列全体の咬合力の測定は困難でした. そこで今回我々は, 歯列弓全体の咬合圧を測定できるデンタルプレスケールを用いて, 手術前および手術後の変化を検討しました. 資料は日本大学松戸歯学部付属病院顎顔面矯正科に来院, 外科矯正治療を施行された症例より1年以上の資料の整った, 男子5例, 女子7例の計12...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 1995, Vol.5 (2), p.282-282
Hauptverfasser: 山下利明, 林文晃, 上原直, 青島攻, 今村隆一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:顎変形症患者における, 手術後の機能変化の大きいことは広く知られています. その中には種々の筋肉の力の結果として現わされる咬合力の研究があります. しかし, 従来より咬合力の研究の多くはトランジューサーを用いられていますが, この方法は個々の歯を測定することはできましたが, より生理的な状態である歯列全体の咬合力の測定は困難でした. そこで今回我々は, 歯列弓全体の咬合圧を測定できるデンタルプレスケールを用いて, 手術前および手術後の変化を検討しました. 資料は日本大学松戸歯学部付属病院顎顔面矯正科に来院, 外科矯正治療を施行された症例より1年以上の資料の整った, 男子5例, 女子7例の計12例を用いました. 方法はデンタルプレスケール30タイプRを用い, 手術前, 手術後できるだけ早い時期のプレスケールによる計測, その後矯正来院時ごとに約1年間計測しました. そのプレスケールを, シモレックス社製FPD703にて咬合面積, 最大圧力, 平均圧力, 咬合力について測定を行いました. 結果および結論 1. 術後1か月目に, 咬合面積, 最大圧力, 咬合力が大きく減少を示したことは手術侵襲のためと思われます. 2. しかし, その後は手術部位の回復, 体力の回復や, 術後矯正による咬合の緊密化により, 5~7か月目までに咬合力の数値は, 大きく増加しました. 3. 咬合力の術前術後の機能変化は, 術後5~7か月目を境に数値変化は小さくなり, 安定したものと思われます. 4. この結果は, 手術後5~7か月目が保定を考える上での一つの目安になると推測されます.
ISSN:0916-7048