我々が行なっている上下顎同時移動術の周術期管理
福岡歯科大学附属病院において, 我々が行なっている上下顎同時移動術の周術期管理について報告した. 1)同種血輸血を回避するために手術の5週間前に自己血を採血し, 日本赤十字社福岡血液センターの協力で, MAP加赤血球濃厚液と凍結血漿として保存している. 2)全身麻酔は術中, 術後のストレスを軽減するため, 中量のフェンタニール(30μg/kg)麻酔をベースにし, また術中は出血量の減少を目的に低血圧麻酔を行なっている. 3)当施設では術直後の顎間固定下での気道確保と誤嚥の防止を目的に, 手術翌朝まで気管内チューブを留置するため, PCAポンプを用いて鎮静剤を投与している. 4)麻酔導入後に鎖骨...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 1995, Vol.5 (2), p.279-279 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 福岡歯科大学附属病院において, 我々が行なっている上下顎同時移動術の周術期管理について報告した. 1)同種血輸血を回避するために手術の5週間前に自己血を採血し, 日本赤十字社福岡血液センターの協力で, MAP加赤血球濃厚液と凍結血漿として保存している. 2)全身麻酔は術中, 術後のストレスを軽減するため, 中量のフェンタニール(30μg/kg)麻酔をベースにし, また術中は出血量の減少を目的に低血圧麻酔を行なっている. 3)当施設では術直後の顎間固定下での気道確保と誤嚥の防止を目的に, 手術翌朝まで気管内チューブを留置するため, PCAポンプを用いて鎮静剤を投与している. 4)麻酔導入後に鎖骨下より挿入した中心静脈カテーテルを術後5日間, 投与ルートとして留置している. 5)Le Fort I型骨切り術後に経鼻気管内チューブを留置すると, 鼻中隔が偏位することがあるので, 術直後に対側鼻腔に同サイズのネイザルエアウェイを挿入し, 胃管はこれに通過させている. 気管内チューブ抜管後は両側にネイザルエアウェイを挿入した状態とし, 2~3時間経過観察後, 両側鼻腔ともMerocel NASAL-PACKINGと置き換えている. 6)術後の顔面浮腫の軽減と下唇などの知覚障害の早期改善を目的に, 手術数日後より麻酔科外来で直線偏光型近赤外線治療などのペインクリニック治療を行なっている. 質問 大阪歯大, 1口外 久保誼修 鎖骨下よりの中心静脈カテーテル挿入後の胸部レントゲンによる気胸の確認は, 自発的呼吸下の時点で行なうべきではないでしょうか. 回答 福岡歯大, 歯科麻酔 冨永晋二 位置の確認が速やかに行なえる. また, 必要に応じて術後, 帰棟後にも撮影している. 質問 横浜労災病院, 歯口外 亀井和利 1. CVライン確保する際の合併症等を考えると末梢ライン及びAラインのモニタリングであってもリスクが少なく管理が可能と思われますがCVラインの方が良いとお考えですか. 2. CVラインの留置期間はどのくらいですか. 3. 5日以降は抗生剤等の投与はどのようにされているのですか. 回答 福岡歯大, 歯科麻酔 冨永晋二 1. 輸血のタイミング, 量を測るために必要と考える. とくに鎖骨下からの挿入では術後投薬ルートとして使用できる. 2. 5日間留置している. 3. カテーテル抜去後の抗生剤投与は行なっていない. |
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ISSN: | 0916-7048 |