下顎枝矢状分割法施行時の術中偶発骨折とその対処
下顎枝矢状分割法は, 顎変形症手術のうち最も多く選択される術式の1つであるが, 稀に偶発症を伴うことがある. 今回私達は術中の偶発骨折について検討したので報告した. 当科において1984年1月より1993年12月までの10年間に施行した下顎枝矢状分割法325例(650側)において8例(8側)に術中偶発骨折を認めた. 骨折部位では6例が外側骨片, 2例が内側骨片であった. 骨折を生じた下顎枝の形態では, 下顎枝が非薄, また強度の弯曲がみられた症例や, 骨の基質的な変性が疑われた症例もあった. また, 術中の骨切り操作において内外側骨片のいずれかが過度に薄くなった場合や, 埋伏歯の存在も偶発骨折...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 1994, Vol.4 (2), p.258-259 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 下顎枝矢状分割法は, 顎変形症手術のうち最も多く選択される術式の1つであるが, 稀に偶発症を伴うことがある. 今回私達は術中の偶発骨折について検討したので報告した. 当科において1984年1月より1993年12月までの10年間に施行した下顎枝矢状分割法325例(650側)において8例(8側)に術中偶発骨折を認めた. 骨折部位では6例が外側骨片, 2例が内側骨片であった. 骨折を生じた下顎枝の形態では, 下顎枝が非薄, また強度の弯曲がみられた症例や, 骨の基質的な変性が疑われた症例もあった. また, 術中の骨切り操作において内外側骨片のいずれかが過度に薄くなった場合や, 埋伏歯の存在も偶発骨折の誘因となると考えられた. 骨折を生じた場合の対処は症例により様々で, 骨折骨片の固定を, ワイヤーによる囲繞結紮で行ったもの, スクリュー固定を行ったもの, これらを併用したもの, さらにワイヤーにて小骨片を整復したのちミニプレートにて行った例などがあった. 顎間固定の期間も通常(当科では1週間)より長期間行われ, 最短で18日間, 最長で52日間であった. 予後については, 偶発骨折が後戻りに関与するかについて検討したが, 8例中4例に軽度の後戻りを認めたものの, その間に明らかな関係があるとは考えられなかった. |
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ISSN: | 0916-7048 |