HAP顆粒を用いたAugmentation genioplasty

下顎結合部の垂直的増量が必要であった5症例に対して, ヒドロキシアパタイト顆粒を骨補填材として使用し, 良好な結果を得た. 〔結果〕(1)5例とも術後の経過は良好で, 創の離開や2次感染などは経験しなかった. (2)術後のレントゲン所見でヒドロキシアパタイト顆粒の口底軟組織への流出は認められず, 術後1年では骨片の間隙は, ほとんど均一な不透過像となり, 骨の増生が伺われた. (3)術前後の側方頭部X線規格写真を用いて, 軟組織分析を行ったところ, 顔面高さの比と上下口唇高さの比は改善された. (4)下顎結合部を基準にトレースの重ね合わせで, 手術によるMentonの変化を計測すると, 最小3...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 1994, Vol.4 (2), p.228-228
Hauptverfasser: 木山純子, 鴛海美帆, 石井英朋, 辻政秀, 宇治寿隆, 升井一朗, 本田武司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:下顎結合部の垂直的増量が必要であった5症例に対して, ヒドロキシアパタイト顆粒を骨補填材として使用し, 良好な結果を得た. 〔結果〕(1)5例とも術後の経過は良好で, 創の離開や2次感染などは経験しなかった. (2)術後のレントゲン所見でヒドロキシアパタイト顆粒の口底軟組織への流出は認められず, 術後1年では骨片の間隙は, ほとんど均一な不透過像となり, 骨の増生が伺われた. (3)術前後の側方頭部X線規格写真を用いて, 軟組織分析を行ったところ, 顔面高さの比と上下口唇高さの比は改善された. (4)下顎結合部を基準にトレースの重ね合わせで, 手術によるMentonの変化を計測すると, 最小3mmから最大7mmでした. 手術直後から1年以上経過時までの間の高さの変化はなく, 安定していた. 以上より, 下唇オトガイ高さの短小を伴う症例や, 顎骨の移動により下顔面高さが短縮して不調和となる症例では, HAP顆粒を用いた垂直的増量を行うオトガイ形成術は有用な方法であると考えられた. 質問 九歯大, 1口外 喜久田利弘 オトガイの垂直的増量する場合の術前でのキョリ(術前計画)は何を基準に決定しているか. 回答 福岡歯大, 2口外 木山純子 1. オトガイ部を増高するかどうかという基準はLeganによる軟組織分析の中の顔面高さの比や上下口唇高さの比の値を参考にしています. 2. 当科においてはまだ5症例と少なく, キタンミニプレートをはずした症例はありません. 質問 横浜労災病院, 歯口外 小早川元博 オトガイ部の垂直的な短縮傾向はオトガイを前方に出す事で感覚的には補足出来ないでしょうか. 回答 福岡歯大, 口外2 升井一朗 垂直的増量を行うオトガイ形成術は下顎のセットバックにより余剰となった下唇, オトガイ部軟組織を, 垂直的増量により伸展し, 下唇突出度やオトガイ唇溝の深さ, および上唇対下唇の高さを調整することが目的です. 従って本手術の適応は, 硬組織とそれをカバーする軟組織の量的不調和を伴う症例と考えます.
ISSN:0916-7048