高度下顎後退症の治療結果‐全上下顎同時移動術における術後変化

本研究は高度下顎後退症に全上下顎同時移動術を施行した際の変化を検討した. 被験者は女性とした. 対照は成人正常咬合を用いた. 下顎後退症は12例(手術時年齢平均25歳1か月)を用いた. 顎矯正手術は, 全例で上顎にLe Fort I型骨切り術, 下顎に下顎枝矢状分割法を施行した. オトガイ形成手術は11名, 前後的に急峻な咬合平面修正は10名, gummy smile改善の上顎骨上方移動は9名に行った. 資料には中心咬合位の側面頭部X線規格写真を用いた. 計測項目は15項目とした. 正常咬合群と比較して, 下顎後退症初診時は硬軟組織各部に変異がみられた. 術後6か月では正常群と歯牙的のみの差異...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 1994, Vol.4 (2), p.202-203
Hauptverfasser: 菊地誠, 鈴木敏正, 荒川忠博, 鶴木隆, 市ノ川義美, 堀川晴久
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究は高度下顎後退症に全上下顎同時移動術を施行した際の変化を検討した. 被験者は女性とした. 対照は成人正常咬合を用いた. 下顎後退症は12例(手術時年齢平均25歳1か月)を用いた. 顎矯正手術は, 全例で上顎にLe Fort I型骨切り術, 下顎に下顎枝矢状分割法を施行した. オトガイ形成手術は11名, 前後的に急峻な咬合平面修正は10名, gummy smile改善の上顎骨上方移動は9名に行った. 資料には中心咬合位の側面頭部X線規格写真を用いた. 計測項目は15項目とした. 正常咬合群と比較して, 下顎後退症初診時は硬軟組織各部に変異がみられた. 術後6か月では正常群と歯牙的のみの差異であった. 中下顔面が長い, 上唇の突出などの差異はあったが, 大きな有意差ではなかった. 下顎後退症の各治療時期比較では, 術前矯正で歯性の変化, 外科手術で硬軟組織の変化, 術後に上下顎前後関係と上下唇突出度の変化を認めた. 治療変化量の相関では, 手術変化と手術変化の相関係数はいずれも負値で, 手術変化が術後に軽度に後戻りしていた. 手術による前後, 上下的変化の大きいもの程後戻り量が大きいことが示された.
ISSN:0916-7048