顎変形症の分類 (診断表記法) 橋本試案の評価: 第1報術前顔貌の評価

「緒言」 顎変形症は, 程度の差こそあれ形態的, 機能的, 心理的障害を有しており, 診断に当ってはこれらの三要素を包括していることが望ましい. しかし, 一般に用いられている形態的診断名も「下顎前突症」や「小下顎症」のように前後, 左右, 上下の三次元的な変化の一部分を記述した診断, 分類が広く用いられており, 極端な場合は「顎変形症」のような総括的名称が診断名とされることもある. そこで橋本らは, この顎変形症の形態的変化を前後, 左右, 上下の三次元的変化として分析し, それらを客観的に表記する方法を報告している1). 今回われわれは, 最近当科で治療した顎変形症患者を対象に「顎変形症の...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 1994/04/30, Vol.4(1), pp.37-41
Hauptverfasser: 中村, 康宏, 橋本, 賢二, 上田, 吉生, 松下, 文彦, 鈴木, 浩之, 田中, 英俊, 竹内, 啓人, 福田, 廣志
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」 顎変形症は, 程度の差こそあれ形態的, 機能的, 心理的障害を有しており, 診断に当ってはこれらの三要素を包括していることが望ましい. しかし, 一般に用いられている形態的診断名も「下顎前突症」や「小下顎症」のように前後, 左右, 上下の三次元的な変化の一部分を記述した診断, 分類が広く用いられており, 極端な場合は「顎変形症」のような総括的名称が診断名とされることもある. そこで橋本らは, この顎変形症の形態的変化を前後, 左右, 上下の三次元的変化として分析し, それらを客観的に表記する方法を報告している1). 今回われわれは, 最近当科で治療した顎変形症患者を対象に「顎変形症の分類(診断表記法)橋本試案」1)の妥当性, 問題点を検討したので報告する. 「対象および方法」 対象は1989年9月から1993年8月までに浜松医科大学附属病院歯科口腔外科に「顎変形症」の治療を希望して来院した患者のうちの任意の50名とした. その内訳は男性15名, 女性35名で, 年齢は16歳から48歳(平均年齢23.2歳)であった. 1. 顎変形症の分類法 (1)部位の定義 橋本試案に準じ, Fig.1に示すごとく顔面を上中下に3分割し, Upper(以下Uと略す), Middle(以下M), Lower(以下L)とし, 顔面横径をFig.2に示すごとく左右に5分割し, I~Vとした. (2)量的表記法 0:正常(対称もしくは均衡がとれている) 1:左に偏位, 前後, 左右, 上下の増大 2:右に偏位, 前後, 左右, 上下の縮小 (3)観察項目 橋本試案と同じく, 顔面対称性:「A」, 顔面高:「H」, 顔面幅:「W」, 側貌:「P」の4項目について観察した. (4)表記法 橋本試案に従い, 観察項目A,H,W,Pに関し, それぞれの肉眼的評価を, 各項目の後の()内にUMLの順に量的表記法(0,1,2)により記載した.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd1991.4.37