B-14. 下顎前突症に対する全上下顎同時移動術後の軟組織側貌の変化に関する検討
下顎の後退移動に伴う側貌の変化や予測に関する研究は多数みられるが, 全上下顎同時移動術後の側貌変化に関する検討は未だ少ない. そこで, 本手術による軟組織側貌の変化を, Leganらによる軟組織側貌分析, および術前後の軟組織計測点の位置変化により検討し報告した. 対象は, 術前矯正治療後, Le Fort I型骨切り術と下顎枝矢状分割術による全上下顎同時移動術を行った下顎前突20例で, 平均年齢20.6歳, 男女比2:3であった. この内, 開咬症, 上顎後退症の合併例を各12例含むが, 唇顎口蓋裂と強度の顔面非対称例は除外した. また, 8例にはone stageにオトガイ形成術が併用され...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 1993, Vol.3 (2), p.194-195 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 下顎の後退移動に伴う側貌の変化や予測に関する研究は多数みられるが, 全上下顎同時移動術後の側貌変化に関する検討は未だ少ない. そこで, 本手術による軟組織側貌の変化を, Leganらによる軟組織側貌分析, および術前後の軟組織計測点の位置変化により検討し報告した. 対象は, 術前矯正治療後, Le Fort I型骨切り術と下顎枝矢状分割術による全上下顎同時移動術を行った下顎前突20例で, 平均年齢20.6歳, 男女比2:3であった. この内, 開咬症, 上顎後退症の合併例を各12例含むが, 唇顎口蓋裂と強度の顔面非対称例は除外した. また, 8例にはone stageにオトガイ形成術が併用されていた. 資料は術前および術後6か月以上経過時に, 中心咬合位で口唇の安静状態で撮影された右側方セファロで, 計測点は, 一般に使用される硬組織計測点18点と軟組織側貌外形線上の15点に加えて, 頬の軟組織外形線上にOrs, C1, C2の3点を追加設定した. その結果, 1)軟組織分析では, 突顎性と鼻唇角, およびオトガイ唇溝の深さに有意の改善をしめしたが, 上唇突出度と上顎切歯露出度は悪化した. 上唇対下唇の高さの比は改善されたが, 上下顔面高さの比には有意差がなかった. 2)計測点の変化では, 前鼻棘の前方移動により鼻尖点は前上方へ移動し, 鼻下点と上唇点は上顎切歯点のX, Y座標と相関が高い. また, Mid-facial line上のC1, C2は頬の形態変化を分析するのに有用と考えられた. 質問 阪大, 歯, 2口外 南克浩 硬組織の点に対応すると考えられる軟組織の点の移動率について発表されておられますが, 実際のopeの際の移動の指標となる上下顎のset back, set forward量を基準とした移動量のデータをお持ちでしょうか. (顎骨の移動と軟組織の移動の相関関係で, 実際のopeの際に, 術後結果が予測できるのでしょうか. ) 回答 福岡歯大, 2口外 升井一朗 現在のところ, 下顎のset backによる軟組織側貌の予測システムを臨床に応用しているが, 上顎の移動による側貌変化は, 術者の経験で予測している. 今後は症例をpoolして, 上顎, 下顎の移動による側貌予測システムを作りたいと考えている. 質問 東歯大, 矯正 瀬端正之 抄録の結果3)で, 鼻下点が下方に移動するとありますが, どのように考えられますか. |
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ISSN: | 0916-7048 |