上顎前方および後方歯槽部骨切り術により治療した骨格性開咬の1例

「緒言」 骨格性開咬の外科的顎矯正では, 下顎における前方歯槽部骨切り術や下顎枝矢状分割術, 上顎における前方歯槽部骨切り術, 後方歯槽部骨切り術, Le Fort I型骨切り術などが, 単独あるいは組合されて行われている1). 広く採用されているLe Fort I型骨切り術では前歯部の持続的な上方への後戻りがあること2), 下顎枝矢状分割術では開咬を修正する骨の移動方向である反時計回りの回転移動で後戻りの頻度が高いことが報告される3-5)など, 治療困難な不正咬合の一つと考えられ, 治療法の選択に苦慮することが多い. われわれはAngle I級の骨格性開咬に対し, 上顎前方および後方歯槽部骨...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 1993/10/30, Vol.3(2), pp.110-116
Hauptverfasser: 南, 克浩, 菅原, 利夫, 森, 悦秀, 由井, 俊平, 三木, 依子, 宮島, 貴博, 作田, 正義
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」 骨格性開咬の外科的顎矯正では, 下顎における前方歯槽部骨切り術や下顎枝矢状分割術, 上顎における前方歯槽部骨切り術, 後方歯槽部骨切り術, Le Fort I型骨切り術などが, 単独あるいは組合されて行われている1). 広く採用されているLe Fort I型骨切り術では前歯部の持続的な上方への後戻りがあること2), 下顎枝矢状分割術では開咬を修正する骨の移動方向である反時計回りの回転移動で後戻りの頻度が高いことが報告される3-5)など, 治療困難な不正咬合の一つと考えられ, 治療法の選択に苦慮することが多い. われわれはAngle I級の骨格性開咬に対し, 上顎前方および後方歯槽部骨切り術を組合せた治療を行い, 安定した咬合が得られた症例を経験したので報告する. 「症例」 患者:27歳, 男性 主訴:開咬による口唇閉鎖不全 現病歴:10歳頃より開咬が発現し, 青年期にその程度が増大したが, 特に治療をせず放置. 27歳時に口唇閉鎖不全の改善のため矯正歯科を受診し外科的顎矯正の適応として, 当科を紹介された. 既往歴:特記事項なし 家族歴:特記事項なし
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd1991.3.110