B-15.オトガイ形成術後の硬軟両組織側貌変化について

顔貌の美醜を決定する形態的特徴は, とくに下顔面部に現れるとされ, オトガイ形成術は, 外科的矯正治療に際して審美的改善を目的に施行される. しかし, 本法施行後の硬軟両組織の側貌形態の変化を経時的に観察した報告は少ない. そこで, 今回私達は, 骨格性下顎前突疾患者に対しオトガイ形成術を施行した症例の側貌形態の変化を術前, 術後6か月, 術後1年の側方頭部X線規格写真より検討し, 以下の結果を得た. 1. 両群とも, 術後6Mと術後1Yの比較で, オトガイ骨片の移動(後戻り, 骨吸収)は, ほとんど認めなかった. 2. advancement群では, X軸方向のB-Sml, Pog-Ps,...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 1992, Vol.2 (2), p.204-205
Hauptverfasser: 永峰浩一郎, 沖津光久, 中西徹, 龍田恒康, 山崎康之, 廣井恵美, 竹島浩, 嶋田淳, 山本美朗, 松井成幸, 清村寛
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:顔貌の美醜を決定する形態的特徴は, とくに下顔面部に現れるとされ, オトガイ形成術は, 外科的矯正治療に際して審美的改善を目的に施行される. しかし, 本法施行後の硬軟両組織の側貌形態の変化を経時的に観察した報告は少ない. そこで, 今回私達は, 骨格性下顎前突疾患者に対しオトガイ形成術を施行した症例の側貌形態の変化を術前, 術後6か月, 術後1年の側方頭部X線規格写真より検討し, 以下の結果を得た. 1. 両群とも, 術後6Mと術後1Yの比較で, オトガイ骨片の移動(後戻り, 骨吸収)は, ほとんど認めなかった. 2. advancement群では, X軸方向のB-Sml, Pog-Ps, Me-Msについて移動相関性を認めたが, Y軸方向には, いずれも相関性を認めなかった. 移動比率は, X軸方向B-Sml, Me-Msについては, 硬軟組織がほぼ1:1で移動していたが, Pog-Psで軟組織がより大きい移動を示した. reduction群では, X軸方向の各点, Y軸方向のB-Sml, Pog-Ps, Me-Msについて移動相関性を認めた. 移動比率は, X軸方向でB-Sml, Pog-Psがほぼ1:1, Ll-Li, Me-Msが約4:3で移動していた. Y軸方向では, B-Smlで移動がなく, Pog-Psで約2:1, Me-Msで約4:3の移動を示した. 3. 術前, 術後の軟組織の厚さは, 両群ともMe-Msで増加していた. 質問 東医歯大, 歯, 2矯正 榎本勤 硬軟組織の移動比率において, X軸の成分とY軸の成分の差が大きいのはなぜか. 回答 明海大, 歯, 1口外 永峰浩一郎 advancement群では, 下顎骨後方移動+オトガイ骨片前方移動のため, X軸方向で相関を認め, Y軸方向には相関性を認めなかった. reduction群では, 下顎骨後方移動+オトガイ骨片上方移動のため, X軸, Y軸ともに相関を認めたと思われる. 質問 九大, 歯, 2口外 川野芳春 Pogにおいて, 硬組織に対し, 軟組織の移動率が, 164%と報告されたが, どの様に考察されていますか. 回答 明海大, 歯, 1口外 永峰浩一郎 硬組織移動に対する軟組織移動化率のため, 術前との比較でadvancement群のPog-Ps間では, 軟組織が十分についてこない, すなわちover correctionが必要と思われる.
ISSN:0916-7048