B-14.オトガイ形成術による下顔面形態の変化について

オトガイ部の変形は, 下顎前突症や顔面非対称などの顎変形症は, 顎関節強直症, 下顎骨形成不全などに伴い認められることが少なくない. この場合, 咬合や顎関節などの機能的障害および顔貌の改善を目的とした外科的処置にてオトガイ部の変形が回復される場合もあるが, オトガイ形成術を行なわざるを得ない事も経験する. われわれは, 第7回本研究会において, オトガイ形成術に伴う側貌形態の変化を頭部側方X線規格写真を用いて報告したが, 今回は, おもにモアレ写真を用いてオトガイ部の部位別の変化の程度および左右対称性に関して報告した. 対象は, 小顎症5例であり, Overlapping bone geni...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 1992, Vol.2 (2), p.204-204
Hauptverfasser: 川野芳春, 竹之下康治, 岡増一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:オトガイ部の変形は, 下顎前突症や顔面非対称などの顎変形症は, 顎関節強直症, 下顎骨形成不全などに伴い認められることが少なくない. この場合, 咬合や顎関節などの機能的障害および顔貌の改善を目的とした外科的処置にてオトガイ部の変形が回復される場合もあるが, オトガイ形成術を行なわざるを得ない事も経験する. われわれは, 第7回本研究会において, オトガイ形成術に伴う側貌形態の変化を頭部側方X線規格写真を用いて報告したが, 今回は, おもにモアレ写真を用いてオトガイ部の部位別の変化の程度および左右対称性に関して報告した. 対象は, 小顎症5例であり, Overlapping bone genioplasty, iliac bone graftなどによりオトガイ形成術を施行した. モアレ写真上にて, 鼻上点を通り眼耳平面に垂直な線を仮想正中線とし, それより左右に5mm間隔にて断面図をもとめ術前術後の変化率を求めたところ, 最大の変化を示す部位は正中ではなく, 左右いずれかへの偏位を示した. また, オトガイ部の左右非対称の変化を仮想正中線より1s, 1i, それより順次下方へ10mm間隔にてsp-1, sp-2, sp-3の点からの下顎輪郭までの距離をもとめ, その差をその和で除し%をもとめた. 各症例において程度の差こそあれ術前において, 左右の非対称をみとめた. 術後においては, オトガイ部において非対称の残存が認められ, その程度は下方にいくに従い大きくなる傾向を認めた.
ISSN:0916-7048