C-14.外科的矯正治療に伴う形態の改善が咀嚼運動に影響を与えるか
現在我々は, 各種不正咬合者の咀嚼運動の機能的分析を進め, すでに骨格性反対咬合者の咀嚼運動は不安定であることを報告している. 今回は外科的矯正治療を施行した, 開咬を伴う骨格性反対咬合者1例について術前, 術後における咀嚼運動の機能的分析を行ない形態的改善に伴う咀嚼運動の変化について検討を行なったので報告する. 症例は, 初診時年齢18歳4カ月の女性で顔面の非対称を主訴として来院した. 術前矯正治療を約1年5カ月行なった後, 上顎は上下顔面高比の修正とsmile時の上顎前歯部歯肉の露出を改善するためにLe Fort I型骨切り術にて上方に移動し, 下顎は後方移動する目的で下顎枝矢状分割術を施...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 1991, Vol.1 (1), p.202-202 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 現在我々は, 各種不正咬合者の咀嚼運動の機能的分析を進め, すでに骨格性反対咬合者の咀嚼運動は不安定であることを報告している. 今回は外科的矯正治療を施行した, 開咬を伴う骨格性反対咬合者1例について術前, 術後における咀嚼運動の機能的分析を行ない形態的改善に伴う咀嚼運動の変化について検討を行なったので報告する. 症例は, 初診時年齢18歳4カ月の女性で顔面の非対称を主訴として来院した. 術前矯正治療を約1年5カ月行なった後, 上顎は上下顔面高比の修正とsmile時の上顎前歯部歯肉の露出を改善するためにLe Fort I型骨切り術にて上方に移動し, 下顎は後方移動する目的で下顎枝矢状分割術を施行した. 咀嚼運動の分析は, MKG(Model-K5)を用いてガム咀嚼時の30ストロークについて, データレコーダ(TEAK社製XR-50)に記録すると同時にA/Dコンバータ(DAS-1898XPC)でアナログ信号をデジタル信号に変換した. その後, 小林, 志賀らの開発した咀嚼運動自動分析システムにより咀嚼開始後第5ストロークからの10ストロークについて運動経路, 運動リズムおよび運動速度などの各パラメータを分析した. 測定は, 手術前, 手術後1年に行ない機能的正常者の咀嚼運動と比較検討した. その結果, 顔貌および咬合の形態的不正が改善されたのに伴い, 機能における咀嚼運動にも改善が認められた. 質問 神歯大, 矯正 不島健持 1. 外科的矯正治療による運動リズムなどの変化を検討されておりますが, 咀嚼ループの幅に関し何か変化がありませんでしたか. 2. 今回, 展示の症例は術前に非対称が認められますが, 治療により右咀嚼時, 左咀嚼時の咀嚼ループの左右差の変化について何か知見がありましたら, お教え下さい. 回答 日歯大, 歯, 矯正 新井一仁 1. 術前の咀嚼運動経路は種々なるパターンをとり分類が困難でありましたが, 術後には線状のパターンを呈していました. つまり, 前頭面における咀嚼運動経路の幅は術後においてもなお狭く, これは正常者に比較すると十分な改善とはいえないと考えています. 2. この症例からは, 非対称であることで左右各側での咀嚼時にそれぞれの特徴があるパターンは観察できませんでした. 現在非対称の症例についてもデータを集めていますので, いずれ分析できるものと思われます. |
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ISSN: | 0916-7048 |