C-7.Mandibular Traumatic Ostectomyをおこなった骨形成不全症の1例

骨形成不全症は, 骨の脆弱性による多発性骨折を主微とし, 青色鞏膜, 難聴, 関節弛緩性などを高率に合併する遺伝性骨系統疾患で, 顎口腔領域では象牙質形成不全症や下顎前突症を認めることが少なくない. 最近, われわれは両側下顎骨犬歯部骨体骨折を来した下顎前突症を伴う本症に対し, Mandibular Traumatic Ostectomyを行い良好な結果を得たので, その概要を報告した. 患者は, 15歳の男性で当科受診約3時間前に顔面部を殴打され, 咬合不全を来して当科を受診した. 過去に4回の骨折の既往があり, 家族歴では, 骨形成不全症の症状を認めるものが4世代で5名認められた. 現症で...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 1991, Vol.1 (1), p.199-199
Hauptverfasser: 田中真樹, 村瀬博文, 富永恭弘, 増崎雅一, 平博彦, 麻生智義, 柴田敏之, 富田喜内, 道谷弘之, 武藤壽孝, 金澤正昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:骨形成不全症は, 骨の脆弱性による多発性骨折を主微とし, 青色鞏膜, 難聴, 関節弛緩性などを高率に合併する遺伝性骨系統疾患で, 顎口腔領域では象牙質形成不全症や下顎前突症を認めることが少なくない. 最近, われわれは両側下顎骨犬歯部骨体骨折を来した下顎前突症を伴う本症に対し, Mandibular Traumatic Ostectomyを行い良好な結果を得たので, その概要を報告した. 患者は, 15歳の男性で当科受診約3時間前に顔面部を殴打され, 咬合不全を来して当科を受診した. 過去に4回の骨折の既往があり, 家族歴では, 骨形成不全症の症状を認めるものが4世代で5名認められた. 現症では, 前歯部は下方に沈下し, 両側臼歯部の舌側傾斜が認められた. さらに問診, 模型分析及びセファロ分析を行ったところ, 受傷前は下顎前突症があったものと考えられた. 以上より, 両側下顎骨犬歯部骨体骨折と骨形成不全症を伴った下顎前突症と診断し, 術前の種々の分析よりMandibular Traumatic Ostectomyの適応症例と考えた. 処置は全身麻酔下に両側第一小臼歯を抜歯し, 同部のOstectomyを行って前歯部を約9mm後方に移動し, 被蓋を改善した. その後, 舌側床シーネとチタン製ミニプレートにて骨片固定を行い, 顎間固定を6週間施行した. 現在, 術後約2年半を経過しているが, 咬合状態は良好で経過観察中である. 質問 神大, 医, 口外 山田潔 骨形成不全症の手術ということで何か特別な注意点はあるか. また, 術中顎骨等に異常所見は認められたか. 回答 東日本学園大, 歯, 2口外 田中真樹 術中, 特に骨の状態は, 異常所見を認めなかった.
ISSN:0916-7048