B-34.顎矯正手術後の下顎骨の変化 第1報 下顎角の変化

顎変形症に対し, 顎矯正手術が盛んに行われており, なかでも下顎枝矢状分割法が繁用されている. 近年, この手術時の骨片の固定にネジ止め固定法が用いられるようになり, よりよい成績を上げている. 今回, 我々は下顎枝矢状分割後の骨片の移動方向について下顎角を中心に, 鋼線囲繞結紮法とネジ止め固定法との比較検討を行い, その概要を報告した. 研究対象は, 日本歯科大学病院口腔外科において, 下顎前突症の診断のもと下顎枝矢状分割法による下顎後退手術を行った症例より, 骨片の固定を直径0.4mm 18-8ステンレスワイヤーを用い囲繞結紮を行った10例と直径2.7mm non-self tapping...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 1991, Vol.1 (1), p.192-192
Hauptverfasser: 柿崎真一, 熊澤康雄, 小林隆太郎, 三代冬彦, 内田稔, 秋庭悟, 渡辺浩幸, 増田豊
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:顎変形症に対し, 顎矯正手術が盛んに行われており, なかでも下顎枝矢状分割法が繁用されている. 近年, この手術時の骨片の固定にネジ止め固定法が用いられるようになり, よりよい成績を上げている. 今回, 我々は下顎枝矢状分割後の骨片の移動方向について下顎角を中心に, 鋼線囲繞結紮法とネジ止め固定法との比較検討を行い, その概要を報告した. 研究対象は, 日本歯科大学病院口腔外科において, 下顎前突症の診断のもと下顎枝矢状分割法による下顎後退手術を行った症例より, 骨片の固定を直径0.4mm 18-8ステンレスワイヤーを用い囲繞結紮を行った10例と直径2.7mm non-self tappingチタンネジを用い固定を行った10例を, 歯冠修復物がBlackのI級窩洞以下のものの内より無作為に選択した. これらの症例について側面頭部X線規格写真を用いて, O. J, O. B, SN⊥Pog, ANB, SN-MP Gonial angle, SN-Raについて計測した. 計測時期は, 術前, 術直後, 術後3カ月, 術後6カ月, 術後1年の各時期とした. 鋼線囲繞結紮法は, 術後3カ月までGonial angleの著しい拡大と術後6カ月までSN-MPの拡大傾向と術後3カ月までSN-Raの縮小傾向が見られた. ネジ止め固定法は, 術後下顎骨形態の変化はわずかであった. 前者は前歯部を中心に下顎角を拡大しながら前下方へ移動し, 後者は下顎形態が安定し術後のひずみと異なった.
ISSN:0916-7048