A-38.下顎枝矢状分割時におけるネジ止め固定法について

近年, 顎変形症に対する外科的矯正手術の発展は目覚ましいものがある. 特に多用される下顎枝矢状分割法において, 内外側骨片のネジ止め固定法が術後の顎間固定の短縮, 早期治癒, 後戻り防止を目的に盛んに行なわれるようになってきた. 当教室においても1987年7月以降, ネジ止め固定法を採用し, 現在ほぼ全ての症例において使用している. しかしネジ止め固定法において常に問題になるのが顎関節の偏位による障害の出現への懸念であった. そのため瀬戸らが下顎枝外側骨片位置復元法を報告して以来, いくつかの復元法が発表されてきた. そこで我々も, 1989年より独自に位置復元装置を考案し, 行なっている一方...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 1991, Vol.1 (1), p.175-176
Hauptverfasser: 谷内俊一, 高森等, 松尾朗, 柿崎真一, 内田稔, 石川晴夫, 新井一仁
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, 顎変形症に対する外科的矯正手術の発展は目覚ましいものがある. 特に多用される下顎枝矢状分割法において, 内外側骨片のネジ止め固定法が術後の顎間固定の短縮, 早期治癒, 後戻り防止を目的に盛んに行なわれるようになってきた. 当教室においても1987年7月以降, ネジ止め固定法を採用し, 現在ほぼ全ての症例において使用している. しかしネジ止め固定法において常に問題になるのが顎関節の偏位による障害の出現への懸念であった. そのため瀬戸らが下顎枝外側骨片位置復元法を報告して以来, いくつかの復元法が発表されてきた. そこで我々も, 1989年より独自に位置復元装置を考案し, 行なっている一方, ネジ止め固定法を応用するに当り, 下顎枝の矢状分割が確実に行なえることが必須条件となるが, 我々はアメリカシアトル市, Northwest center for corrective jaw surgery所長Dr.Roger Westが考案したリトラクターを用い, また彼の術式の一部を改良し行なっている. この術式は分割法に特徴がある. まず薄めの4mmのosteotomeで水平骨切り部を下顎小舌の少し後方まで分離し, ついで垂直骨切り部を下縁まで完全に分離する. そして, 4mmのCottle osteotome 2本を垂直骨切り部から後方に向かって下顎枝前縁の皮質骨切り部に挿入し, 下顎管に注意しながら押し開くように徐々に顎骨を分割していく方法である. 今回はその術式と下顎枝外側骨片位置復元法についてビデオにより報告した.
ISSN:0916-7048