A-30.上下顎前方歯槽骨切り術による上下顎前突症患者の術後評価

歯槽性の上下顎前突症患者の治療に関して, 特に成人の場合, 治療期間が短期で良好な治療結果が得られることから, 矯正治療のみで行うより外科的な矯正術によって行う方がよりよい適応とされる場がある. 歯槽性の上下顎前突症に対する顎矯正手術には, 上顎前方歯槽骨切り術(Wassumund-Wunderer法), 下顎前方歯槽骨切り術, 時にはオトガイ形成術が同時に行われ術後のrelapseも少なく, 審美的な改善においても, 確実な術式である. 今回, 上下顎前方歯槽骨切り術を施行した6症例の術前, 術後3カ月, 術後6カ月における, 硬軟両組織の経時的な移動変化とそれに対応する咬合状態の変化につい...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 1991, Vol.1 (1), p.171-172
Hauptverfasser: 林解平, 大野屋雅寛, 斉藤諭, 岩佐昌広, 小笠原利行, 玉井学, 西出直人, 石井保雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:歯槽性の上下顎前突症患者の治療に関して, 特に成人の場合, 治療期間が短期で良好な治療結果が得られることから, 矯正治療のみで行うより外科的な矯正術によって行う方がよりよい適応とされる場がある. 歯槽性の上下顎前突症に対する顎矯正手術には, 上顎前方歯槽骨切り術(Wassumund-Wunderer法), 下顎前方歯槽骨切り術, 時にはオトガイ形成術が同時に行われ術後のrelapseも少なく, 審美的な改善においても, 確実な術式である. 今回, 上下顎前方歯槽骨切り術を施行した6症例の術前, 術後3カ月, 術後6カ月における, 硬軟両組織の経時的な移動変化とそれに対応する咬合状態の変化について, 分析, 検討を行ったのでその詳細を報告した. その結果, 後退移動した上下顎歯槽部に対して, 上下唇部の軟組織の移動変化は, 有意に相関し, 審美的な改善がなされた. T-scanシステムを用いた術前, 術後の咬合状態の評価結果から, 術前の咬合接触, 咬合力の分布, 強さは, 術後にかけて有意に増加し, 術後6カ月目では安定した咬合状態を認めていた. しかし, 術後6カ月目までに, 上顎歯槽部の水平方向での後戻りが軽度に認められ, 改善された咬合関係から上顎歯槽骨片の移動をわずかながら誘発したものと考えられた.
ISSN:0916-7048