A-27.保定終了後長期経過した下顎前突症患者の機能的観察

近年, 顎顔面の変形と顎口腔機能異常を伴う顎変形症患者は増加の傾向にある. これらの患者に対して, 昨今, 治療法の進歩と改良によって, より高度で複雑な顎矯正手術が行われ, それと同時に治療目標の要求もさらに高度なものになりつつある. 一方, 顎変形症患者の機能的観察については, 従来よりいくつかの報告がみられるが, それらはすべて手術前後における観察, すなわち動的矯正中や保定期間中であることが多く, 症例間でばらつきが多くみられるのが現状である. そこで今回私たちは, 顎変形症の治療期間外の矯正治療前および保定が終了しさらに長期経過した顎変形症患者を対象に, マイオトロニクス社のエレクト...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 1991, Vol.1 (1), p.170-170
Hauptverfasser: 榊敏男, 久保誼修, 白数力也, 土井純子, 高橋一朗, 木下善之介
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, 顎顔面の変形と顎口腔機能異常を伴う顎変形症患者は増加の傾向にある. これらの患者に対して, 昨今, 治療法の進歩と改良によって, より高度で複雑な顎矯正手術が行われ, それと同時に治療目標の要求もさらに高度なものになりつつある. 一方, 顎変形症患者の機能的観察については, 従来よりいくつかの報告がみられるが, それらはすべて手術前後における観察, すなわち動的矯正中や保定期間中であることが多く, 症例間でばらつきが多くみられるのが現状である. そこで今回私たちは, 顎変形症の治療期間外の矯正治療前および保定が終了しさらに長期経過した顎変形症患者を対象に, マイオトロニクス社のエレクトマイオグラフEM2およびK6ダイアグノスティックシステムを用いて, 機能的な観察を行い, 正常咬合者と比較検討してみた. その結果, 顎矯正手術によりダイナミックな変化を受けた上下顎関係は, 保定終了後長期経過すると顎矯正手術は形態的不正咬合の改善だけではなく, 咀嚼系機能の回復にも関与すること, 口腔周囲諸筋の順応が十分なされていること, 術前群よりも十分な機能回復がなされていること, 咀嚼機能が正常咬合者と同等あるいはそれ以上に回復していることが示唆された. しかし, 側頭筋と咬筋の筋活動量の測定値を基にして, 咀嚼機能にどのような影響が波及しているのかを推測するのは早計であり今後, 翼突筋や顎二腹筋の筋活動量の動態も加味して検討する必要があることが示唆された. 質問 大歯大, 耳鼻科 森本伊智郎 M.temporalisの筋電図を判定している表面電極の位置は前腹の部位であり, この部をもって, 側頭筋全体を評価してよいのでしょうか. 回答 大歯大, 1口外 榊敏男 側頭筋前腹, 咬筋中腹部の位置決定は, 必ず同一検者が行い, 触診にて確認しております. 側頭筋前腹は側頭筋前縁を捜し出し, クレンチングさせ筋の走行を確認しています. 咬筋中腹は下顎角から眼窩への平面と咬合平面の交わる位置でおこなっております.
ISSN:0916-7048