A-8.下顎前突症に対する下顎枝矢状分割の変法について
今回われわれは, 1985年から1989年までの4年間に, Obwegeser-Dal Pont法とその変法を用いた症例の術後における安定性を比較検討した. これらは術後1~4年を経過し, Obwegeser-Dal Pont法群およびHunsuckまたはEpker変法群が, おのおの8例ずつの計16例で, いずれも後方移動量が10mm以上であった. なお, 臨床所見は口腔内写真, またX線所見は後頭前頭または側方頭部規格写真を用いた. 手術時間および術中出血量は, 両群間に差が認められなかった. 臨床所見では, 両群とも顎間固定除去時に咬合の浅くなるものが2例にみられたが, 咬合状態は概ね安...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 1991, Vol.1 (1), p.160-161 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 今回われわれは, 1985年から1989年までの4年間に, Obwegeser-Dal Pont法とその変法を用いた症例の術後における安定性を比較検討した. これらは術後1~4年を経過し, Obwegeser-Dal Pont法群およびHunsuckまたはEpker変法群が, おのおの8例ずつの計16例で, いずれも後方移動量が10mm以上であった. なお, 臨床所見は口腔内写真, またX線所見は後頭前頭または側方頭部規格写真を用いた. 手術時間および術中出血量は, 両群間に差が認められなかった. 臨床所見では, 両群とも顎間固定除去時に咬合の浅くなるものが2例にみられたが, 咬合状態は概ね安定していた. 側方頭部X線規格写真の分析によると, Obwegeser-Dal Pont法群では, 後方移動量が増大すると後方突出量も増大し, 両者間に相関性がみられたが, 変法群ではその程度が少ない傾向にあった. 後方移動量と後戻り量との間には, 両群間に差が認められなかった. 下顎平面角は, Obwegeser-Dal Pont法群に比べて変法群が術後に減少する傾向にあった. 後頭前頭X線規格写真では, 両群とも水平的な回転量が大きくとも, 後戻り量は増加しない傾向にあった. 変法群はObwegeser-Dal Pont法群に比べ, 回転量や後方移動量の多い症例においても, 術後に安定性が得られやすいように思われた. しかし今回の計測結果では対象症例も少なく, 両群間に明らかな差を見い出し得なかった. 質問 九学大, 1口外 喜久田利弘 Epker法にて矢状分割する場合, 顎舌骨筋神経溝部での分割を行うわけであるが, 貴方法での分割部位はどこにもってきているのか. 回答 岩手医大, 歯, 1口外 東海林克 内側の分割は, 操作時にバリエーションが多く, 今回我々が検討した症例の分割線をみて, 一番多い形態を模式図に使用させて頂きました. Epker, Hansackと完全に分けずに, 変法としてまとめさせて頂きました. 追加 岩手医大, 歯, 1口外 工藤啓吾 外側の骨切りをObwegeser-Dal Pont法を用いており, この事により骨の接触面積をかせいでおり, 特に問題ないと考えます. なお, このような後退量の大きいものに対しても適応してみたが, 今後さらに検討を要するものと思います. |
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ISSN: | 0916-7048 |