下顎前突症患者に伴う身体症状
「緒言」第1報1)において下顎前突症患者に, 肩こり, 腰痛, 姿勢異常が高率に出現していることを明らかにした. これは骨格性下顎前突症に伴い自然頭位の前傾が生じ, 立位静的姿勢における重心が後方に移動することから, 個体の平衡, バランスを維持するために胸椎の後彎と腰椎の前彎が生じ, 側面よりみた不良姿勢が出現し, この状態が長期にわたった場合, 側面観の変化のみならず, 脊柱側彎症にまで進展するのではないかと推測した. この仮説が正しければ, 脊柱状態に構築性の変化を認めないような症例では, 下顎前突症手術によって咬合が改善された場合, 自然頭位に変化を認め, 姿勢の改善が得られるはずであ...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 1991, Vol.1 (1), p.13-20 |
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Hauptverfasser: | , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」第1報1)において下顎前突症患者に, 肩こり, 腰痛, 姿勢異常が高率に出現していることを明らかにした. これは骨格性下顎前突症に伴い自然頭位の前傾が生じ, 立位静的姿勢における重心が後方に移動することから, 個体の平衡, バランスを維持するために胸椎の後彎と腰椎の前彎が生じ, 側面よりみた不良姿勢が出現し, この状態が長期にわたった場合, 側面観の変化のみならず, 脊柱側彎症にまで進展するのではないかと推測した. この仮説が正しければ, 脊柱状態に構築性の変化を認めないような症例では, 下顎前突症手術によって咬合が改善された場合, 自然頭位に変化を認め, 姿勢の改善が得られるはずである. そこで, 同一患者における下顎前突症手術前後の姿勢変化を, とくに脊柱状態について検索し, 興味ある知見を得たので代表症例を加えて報告する. 検索対象および検索方法 1)対象 手術適応の骨格性下顎前突症患者19名(男性10名, 術前平均年齢22.9歳, 女性9名, 術前平均年齢20.7歳)を対象とし, 外科的矯正術前, 術後の脊柱状態の検診を行った. なお対象症例は外科的矯正術としてObwegeser-Dal Pont法を施行した. |
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ISSN: | 0916-7048 |