左下葉切除後肺静脈断端部血栓による脳塞栓を発症し,断端部血栓の退縮を心臓MRI検査で確認した1例

症例は,68歳男性.転移性肺癌に対する胸腔鏡下左肺下葉切除術の翌日,意識障害・左片麻痺の状態で倒れているところを発見された.NIHSSは25点であり,頭部MRI検査のDWIでは,右基底核から放線冠に淡い高信号病変を,MRAでは右内頚動脈の閉塞を認め,超急性期脳梗塞と診断した.経皮的脳血栓回収術を施行し,完全再開通を得た.胸部造影CT検査で左下肺静脈の断端部に血栓を認め,塞栓源と考えた.肺静脈断端部の残存血栓については,抗凝固療法を継続しつつ慎重に経過観察を行った.頻回の造影CT検査を避けるため,心臓MRI検査で血栓の経過観察を行い,血栓の消失を確認した.心臓MRI検査は肺静脈断端部血栓の評価お...

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Veröffentlicht in:脳卒中 2024, Vol.46(2), pp.157-161
Hauptverfasser: 中野, 孝宏, 安部, 裕子, 濱本, 暁子, 米田, 明日香, 田中, 愛実, 上田, 直子, 池田, 充, 原, 斉
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:症例は,68歳男性.転移性肺癌に対する胸腔鏡下左肺下葉切除術の翌日,意識障害・左片麻痺の状態で倒れているところを発見された.NIHSSは25点であり,頭部MRI検査のDWIでは,右基底核から放線冠に淡い高信号病変を,MRAでは右内頚動脈の閉塞を認め,超急性期脳梗塞と診断した.経皮的脳血栓回収術を施行し,完全再開通を得た.胸部造影CT検査で左下肺静脈の断端部に血栓を認め,塞栓源と考えた.肺静脈断端部の残存血栓については,抗凝固療法を継続しつつ慎重に経過観察を行った.頻回の造影CT検査を避けるため,心臓MRI検査で血栓の経過観察を行い,血栓の消失を確認した.心臓MRI検査は肺静脈断端部血栓の評価および経過観察においても非侵襲的かつ有用な検査方法である.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.11177