標準的降圧治療後に血行力学性脳梗塞を合併したposterior reversible encephalopathy syndromeの1例

88歳女性.2日前からの意識障害と頭痛を主訴に救急搬送された.JCS 3,血圧261/127(平均血圧:172)mmHg.頭部MRI, FLAIRにて両側後頭葉皮質下白質等に高信号領域を認め,posterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)を疑った.緩徐な降圧を行い,第4病日には意識障害は改善した.腎不全に対して利尿薬も投与した.第8病日のMRI検査では,血管原性浮腫は改善していたものの,両側の大脳半球分水嶺領域に新規の脳梗塞を認めた.血行力学性脳梗塞と判断し,循環血液量増量を試みた.その後,神経症状は増悪なく経過した.PRESでは降圧を行う...

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Veröffentlicht in:脳卒中 2023, Vol.45(4), pp.324-330
Hauptverfasser: 山田, 大輔, 桧山, 永得, 市橋, 大治, 金城, 典人
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:88歳女性.2日前からの意識障害と頭痛を主訴に救急搬送された.JCS 3,血圧261/127(平均血圧:172)mmHg.頭部MRI, FLAIRにて両側後頭葉皮質下白質等に高信号領域を認め,posterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)を疑った.緩徐な降圧を行い,第4病日には意識障害は改善した.腎不全に対して利尿薬も投与した.第8病日のMRI検査では,血管原性浮腫は改善していたものの,両側の大脳半球分水嶺領域に新規の脳梗塞を認めた.血行力学性脳梗塞と判断し,循環血液量増量を試みた.その後,神経症状は増悪なく経過した.PRESでは降圧を行うが,急速な降圧は血行力学性脳梗塞のリスクとなる.超高齢者では,血行力学性脳梗塞が発症し得る可能性を事前に説明する必要がある.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.11107