COVID-19感染症拠点病院における,脳卒中を合併した症例の後方視的検討

【背景および目的】COVID-19は脳卒中と関連するとされる.今回,COVID-19に脳卒中を合併した症例とその他の症例を比較し,その特徴について検討した.【方法】2020年3月から2021年9月にCOVID-19で入院した1,101例について,臨床所見,入院時の血液検査所見,転帰について後方視的に検討した.【結果】8例の虚血性脳卒中,1例の脳内出血を認めた.脳卒中群では,非脳卒中群に比し有意に高齢で,高血圧,糖尿病,慢性腎不全の既往を有していた.COVID-19の重症度と有意に相関し,死亡率も高かった.血液検査では炎症反応,Dダイマーが有意に高値であった.【結論】COVID-19に脳卒中を合...

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Veröffentlicht in:脳卒中 2023, Vol.45(1), pp.8-15
Hauptverfasser: 中原, 正博, 荒井, 篤, 中村, 幸子, 清水, 裕章, 佐野, 秀, 森下, 暁二, 相原, 英夫, 篠山, 隆司
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【背景および目的】COVID-19は脳卒中と関連するとされる.今回,COVID-19に脳卒中を合併した症例とその他の症例を比較し,その特徴について検討した.【方法】2020年3月から2021年9月にCOVID-19で入院した1,101例について,臨床所見,入院時の血液検査所見,転帰について後方視的に検討した.【結果】8例の虚血性脳卒中,1例の脳内出血を認めた.脳卒中群では,非脳卒中群に比し有意に高齢で,高血圧,糖尿病,慢性腎不全の既往を有していた.COVID-19の重症度と有意に相関し,死亡率も高かった.血液検査では炎症反応,Dダイマーが有意に高値であった.【結論】COVID-19に脳卒中を合併した症例の特徴を検討し,発症危険因子についても検討した.脳卒中を予防し,適切に診断し,積極的な治療介入を行う体制を構築することが今後の課題である.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.11039