解離性椎骨動脈瘤破裂に頚部内頚動脈解離による脳梗塞を合併した1例

50歳代の男性が意識障害のため搬送された.画像精査で右椎骨動脈解離によるくも膜下出血・両側頚部内頚動脈解離と診断した.右椎骨動脈の解離性動脈瘤に対して速やかにendovascular internal trappingを施行した.手術翌日に左上肢麻痺があり,画像精査で多発性脳梗塞を認め,頚部内頚動脈解離による脳梗塞と診断した.遅発性脳血管攣縮予防の治療にアスピリンを追加して頻回に画像検査を行い,頚部内頚動脈解離の狭窄は改善し,脳梗塞の再発はなかった.頚部内頚動脈には解離性動脈瘤が形成され,発症から3カ月の時点では残存したままであった.くも膜下出血の遅発性脳血管攣縮好発期に脳動脈解離による脳梗塞...

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Veröffentlicht in:脳卒中 2022, Vol.44(4), pp.431-436
Hauptverfasser: 岩下, 英紀, 鈴山, 堅志, 中城, 博子, 高口, 素史
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:50歳代の男性が意識障害のため搬送された.画像精査で右椎骨動脈解離によるくも膜下出血・両側頚部内頚動脈解離と診断した.右椎骨動脈の解離性動脈瘤に対して速やかにendovascular internal trappingを施行した.手術翌日に左上肢麻痺があり,画像精査で多発性脳梗塞を認め,頚部内頚動脈解離による脳梗塞と診断した.遅発性脳血管攣縮予防の治療にアスピリンを追加して頻回に画像検査を行い,頚部内頚動脈解離の狭窄は改善し,脳梗塞の再発はなかった.頚部内頚動脈には解離性動脈瘤が形成され,発症から3カ月の時点では残存したままであった.くも膜下出血の遅発性脳血管攣縮好発期に脳動脈解離による脳梗塞を合併した場合は,虚血症状の病態が複雑になる.遅発性脳血管攣縮予防の治療と抗血栓療法の強化を行いながら,画像検査による慎重な経過観察を行い,病状の変化に臨機応変に対応し,治療する必要がある.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10975