ニボルマブ奏効中に非細菌性血栓性心内膜炎による脳梗塞を発症した肺癌の 1 例

70 歳男性.X-3 年に右下葉結節切除術を受け,肺多形癌と診断された.X-2 年の抗癌剤併用後もリンパ節や脳に転移し,X-1 年 10 月からニボルマブが開始された.同年 12 月に脳梗塞で入院したが,経胸壁心エコーで塞栓源はなかった.後遺症なく退院し,転移巣は著明に縮小したが,X 年 5 月にてんかん性発作で再入院し,脳梗塞巣の新規増加が確認された.経胸壁心エコーにて僧帽弁の可動性腫瘤が見つかり,腫瘤摘出術を実施した.腫瘤は非細菌性血栓性心内膜炎(NBTE)と病理診断された.本例では,ニボルマブにて肺癌の進行をコントロールできている最中に,NBTE による脳梗塞を来した.同薬に NBTE...

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Veröffentlicht in:脳卒中 2022, Vol.44(3), pp.306-310
Hauptverfasser: 徳田, 直輝, 今井, 啓輔, 五影, 昌弘, 傳, 和眞, 沢田, 尚久, 高橋, 章之, 内匠, 千恵子, 浦田, 洋二
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:70 歳男性.X-3 年に右下葉結節切除術を受け,肺多形癌と診断された.X-2 年の抗癌剤併用後もリンパ節や脳に転移し,X-1 年 10 月からニボルマブが開始された.同年 12 月に脳梗塞で入院したが,経胸壁心エコーで塞栓源はなかった.後遺症なく退院し,転移巣は著明に縮小したが,X 年 5 月にてんかん性発作で再入院し,脳梗塞巣の新規増加が確認された.経胸壁心エコーにて僧帽弁の可動性腫瘤が見つかり,腫瘤摘出術を実施した.腫瘤は非細菌性血栓性心内膜炎(NBTE)と病理診断された.本例では,ニボルマブにて肺癌の進行をコントロールできている最中に,NBTE による脳梗塞を来した.同薬に NBTE の予防効果は期待できず,今後は同様の経過を呈する脳梗塞例の増加が危惧される.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10966