特発性左鎖骨下動脈解離により両側小脳,延髄左外側梗塞,頸髄梗塞を来した1例

症例は69歳男性.夜間に突然の頭痛を自覚し,翌朝に構音障害,左上下肢の麻痺が出現し当院を受診した.頭部MRI検査で両側小脳,延髄左外側に急性期脳梗塞がみられた.第2病日に右不全片麻痺も出現し,四肢麻痺に進行.頸髄MRI検査でC2からC5レベルの脊髄内にT2高信号がみられ,頸髄梗塞と診断した.脳血管造影検査(DSA)で,左鎖骨下動脈起始部から左椎骨動脈起始部に高度狭窄がみられ,右椎骨動脈は正常に造影されたが,前脊髄動脈の描出はなかった.第30病日に再度施行したDSAで左鎖骨下動脈の描出は改善した.鎖骨下動脈病変が動脈解離であったことが想定され,追加で施行した鎖骨下動脈エコーで血管内にflap構造...

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Veröffentlicht in:脳卒中 2022, Vol.44(1), pp.22-28
Hauptverfasser: 矢野, 鉄人, 前田, 有貴子, 石倉, 克祥, 福嶋, 直弥, 秋山, 茂雄, 佐藤, 元彦, 古知, 龍三郎, 野下, 展生, 高橋, 俊栄, 日野, 秀嗣
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は69歳男性.夜間に突然の頭痛を自覚し,翌朝に構音障害,左上下肢の麻痺が出現し当院を受診した.頭部MRI検査で両側小脳,延髄左外側に急性期脳梗塞がみられた.第2病日に右不全片麻痺も出現し,四肢麻痺に進行.頸髄MRI検査でC2からC5レベルの脊髄内にT2高信号がみられ,頸髄梗塞と診断した.脳血管造影検査(DSA)で,左鎖骨下動脈起始部から左椎骨動脈起始部に高度狭窄がみられ,右椎骨動脈は正常に造影されたが,前脊髄動脈の描出はなかった.第30病日に再度施行したDSAで左鎖骨下動脈の描出は改善した.鎖骨下動脈病変が動脈解離であったことが想定され,追加で施行した鎖骨下動脈エコーで血管内にflap構造を確認し,特発性左鎖骨下動脈解離と診断した.鎖骨下動脈の高度狭窄病変は動脈解離に起因することがある.画像検査で血管の形状変化を追うことが重要であり,診断に血管エコーが有用であった.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10903