好酸球性肉芽腫性血管炎に高安動脈炎を合併した総頸動脈閉塞症の1例

要旨:好酸球性肉芽腫性血管炎(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis: EGPA)に高安動脈炎を合併するのは稀である.今回,EGPAに合併した高安動脈炎の患者で,総頸動脈閉塞を生じ外科的に血行再建術を施行した1 例を経験した.症例は49歳女性,12年前よりEGPAに対しステロイド内服加療中.突然の左片麻痺を主訴に救急搬送となり,右多発脳梗塞,右総頸動脈閉塞の診断で入院となった.PET-CTでは右総頸動脈分岐部から大動脈弓部にかけて18F-fluorodeoxyglucose(FDG)の集積を認め,高安動脈炎の診断となった.脳血流検査において右...

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Veröffentlicht in:脳卒中 2021, Vol.43(5), pp.434-439
Hauptverfasser: 前田, 拓真, 堀川, 弘吏, 星野, 純一, 長谷川, 詠子, 有澤, 慶, 吉田, 馨次朗, 神田, 朋樹, 原, 貴行
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨:好酸球性肉芽腫性血管炎(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis: EGPA)に高安動脈炎を合併するのは稀である.今回,EGPAに合併した高安動脈炎の患者で,総頸動脈閉塞を生じ外科的に血行再建術を施行した1 例を経験した.症例は49歳女性,12年前よりEGPAに対しステロイド内服加療中.突然の左片麻痺を主訴に救急搬送となり,右多発脳梗塞,右総頸動脈閉塞の診断で入院となった.PET-CTでは右総頸動脈分岐部から大動脈弓部にかけて18F-fluorodeoxyglucose(FDG)の集積を認め,高安動脈炎の診断となった.脳血流検査において右大脳半球の血流低下を認め,原疾患の治療後に右鎖骨下動脈─右内頸動脈バイパス術を施行した.術後経過は良好で自宅退院となった.EGPAに高安動脈炎が合併した総頸動脈閉塞例においても,血管炎の活動性が低下した時期では血行再建術を安全に施行可能と考えられた.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10865