機械的血栓回収が診断の一助となった急性脳底動脈閉塞症を来した左室内粘液腫の1例
要旨:症例は89歳女性.突然の意識障害を発症し,救急搬送された.MRIで急性脳底動脈閉塞を認め,intravenous tissue plasminogen activator を施行するも,再開通が得られなかった.引き続きステントリトリーバーと吸引カテーテルを併用した機械的血栓回収術を施行し,発症から2時間52分後に再開通を得た.回収された塞栓子は白色で,病理診断では心臓粘液腫様の組織を認めた.当初,心エコー・心臓MRIを施行するも,心房内に腫瘍は同定できなかったが,1カ月後の心エコーで左室内に腫瘍が判明し,同日緊急開心術により腫瘍を摘出,心臓粘液腫と確定診断した.塞栓子の病理診断により,先...
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Veröffentlicht in: | 脳卒中 2021, Vol.43(3), pp.262-266 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 要旨:症例は89歳女性.突然の意識障害を発症し,救急搬送された.MRIで急性脳底動脈閉塞を認め,intravenous tissue plasminogen activator を施行するも,再開通が得られなかった.引き続きステントリトリーバーと吸引カテーテルを併用した機械的血栓回収術を施行し,発症から2時間52分後に再開通を得た.回収された塞栓子は白色で,病理診断では心臓粘液腫様の組織を認めた.当初,心エコー・心臓MRIを施行するも,心房内に腫瘍は同定できなかったが,1カ月後の心エコーで左室内に腫瘍が判明し,同日緊急開心術により腫瘍を摘出,心臓粘液腫と確定診断した.塞栓子の病理診断により,先に粘液腫が診断されたにもかかわらず同時期に心臓粘液腫を見つけることができないことがあり,心エコーを密にフォローすることが再発予防には重要である. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.10819 |