頸椎後方固定術後の遠隔期に反復する脳梗塞を発症し母血管閉塞術を施行した1例
要旨:症例は79歳男性.8カ月前に C1-C2 後方固定術が施行された.突然の構音障害で発症し,昏睡となり,当院へ搬送された.頭部MRIで後方循環系の多発脳梗塞を認めたが,アルテプラーゼ静注療法後に症状は改善した.CT angiography で右椎骨動脈がV3レベルでスクリューと接していた.アスピリンとクロピドグレルによる抗血小板薬2剤併用療法を行っていたが,第24病日に脳底動脈閉塞で再発し,脳血栓回収術が施行された.術後はヘパリンとシロスタゾールに切り替えたが,無症候性に右椎骨動脈は閉塞し,その後自然再開通した.第52病日に再発予防のため右椎骨動脈における母血管閉塞術が行われた.頸椎手術に...
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Veröffentlicht in: | 脳卒中 2021, Vol.43(2), pp.153-157 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 要旨:症例は79歳男性.8カ月前に C1-C2 後方固定術が施行された.突然の構音障害で発症し,昏睡となり,当院へ搬送された.頭部MRIで後方循環系の多発脳梗塞を認めたが,アルテプラーゼ静注療法後に症状は改善した.CT angiography で右椎骨動脈がV3レベルでスクリューと接していた.アスピリンとクロピドグレルによる抗血小板薬2剤併用療法を行っていたが,第24病日に脳底動脈閉塞で再発し,脳血栓回収術が施行された.術後はヘパリンとシロスタゾールに切り替えたが,無症候性に右椎骨動脈は閉塞し,その後自然再開通した.第52病日に再発予防のため右椎骨動脈における母血管閉塞術が行われた.頸椎手術による椎骨動脈損傷が原因の合併症は術後早期に起こることが多い.しかし,術後遠隔期でも,椎骨動脈とスクリューとの接触が原因で脳梗塞が起こることを考慮する必要がある.また,母血管閉塞術が再発予防に有効である可能性がある. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.10798 |