静脈洞血栓症の合併により出血を来した developmental venous anomaly の1例
要旨:症例は29歳女性.突然の激しい頭痛を発症し,次第に左下肢のしびれを伴ったため,発症3日後に近医を受診され,当科紹介となった.頭部CTで右側頭頭頂葉に浮腫性変化を伴う出血性病変を認め,頭部MRIではT1強調画像において脳底静脈から直静脈洞にかけて連続する高信号を認めた.経口避妊薬の内服歴と臨床経過から静脈洞血栓症が疑われた.発症後より頭痛は改善傾向にあり,出血発症を考慮して経口避妊薬の中止と血圧管理のみで経過観察とした.入院7日後の脳血管撮影では,動脈相後期に umbrella sign と共に表在静脈への流出所見を認め,developmental venous anomaly(DVA)が...
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Veröffentlicht in: | 脳卒中 2020, Vol.42(6), pp.538-542 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 要旨:症例は29歳女性.突然の激しい頭痛を発症し,次第に左下肢のしびれを伴ったため,発症3日後に近医を受診され,当科紹介となった.頭部CTで右側頭頭頂葉に浮腫性変化を伴う出血性病変を認め,頭部MRIではT1強調画像において脳底静脈から直静脈洞にかけて連続する高信号を認めた.経口避妊薬の内服歴と臨床経過から静脈洞血栓症が疑われた.発症後より頭痛は改善傾向にあり,出血発症を考慮して経口避妊薬の中止と血圧管理のみで経過観察とした.入院7日後の脳血管撮影では,動脈相後期に umbrella sign と共に表在静脈への流出所見を認め,developmental venous anomaly(DVA)が脳出血に関与していたことが示唆された.血管撮影での静脈鬱滞所見が軽度であったため保存的治療を継続したところ,良好な転帰が得られた.DVAの自然経過は一般に良好とされるが,症候性例では血管奇形の合併や血栓症の併発など血行動態の変化を伴う場合があり,病態評価が治療方針の決定に有用である. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.10748 |