Persistent primitive hypoglossal artery を合併した内頸動脈狭窄症に対して頸動脈ステント留置術を行った1例

要旨:【はじめに】遺残舌下動脈は,まれながら偶発的に発見されることのある血管吻合である.その特徴から後方循環への血流に重要な役割を果たしている.今回,脳梗塞にて発見された遺残舌下動脈を伴った内頸動脈狭窄症の症例を経験した.【症例】79歳男性.右内頸動脈の可動性プラークからの塞栓機序にて約半年の経過で2回の脳梗塞を繰り返し発症.内服でのコントロール不良にて外科的治療が必要と判断し,脳梗塞再発予防目的で頸動脈ステント留置術(carotid artery stenting: CAS)を施行した.【考察】これまでも遺残舌下動脈を伴った内頸動脈狭窄症に対する治療に対してはいくつかの報告がなされている.今...

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Veröffentlicht in:脳卒中 2020, Vol.42(4), pp.275-279
Hauptverfasser: 舍川, 健史, 大森, 雄樹, 等, 泰之, 吉田, 顕正
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:要旨:【はじめに】遺残舌下動脈は,まれながら偶発的に発見されることのある血管吻合である.その特徴から後方循環への血流に重要な役割を果たしている.今回,脳梗塞にて発見された遺残舌下動脈を伴った内頸動脈狭窄症の症例を経験した.【症例】79歳男性.右内頸動脈の可動性プラークからの塞栓機序にて約半年の経過で2回の脳梗塞を繰り返し発症.内服でのコントロール不良にて外科的治療が必要と判断し,脳梗塞再発予防目的で頸動脈ステント留置術(carotid artery stenting: CAS)を施行した.【考察】これまでも遺残舌下動脈を伴った内頸動脈狭窄症に対する治療に対してはいくつかの報告がなされている.今回,我々は術中の血流温存に有利な distal filter protection を用いた CAS を選択し,問題となる術後合併症なく治療し得た.文献的考察を加え報告する.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10803