脳卒中患者における回復期リハビリテーション病棟入棟時の麻痺側肩関節疼痛の関連因子についての観察研究
要旨:脳卒中患者における麻痺側肩関節疼痛(以下,PHS)の発生要因,ならびに運動機能回復とPHS の経過との関連性について後方視的に調査した.対象は2016 年2 月~2017 年8 月の期間中に回復期病棟にてリハビリテーションを実施した脳卒中患者とした.回復期病棟入棟時および退棟時に評価を行い,PHS の有無,肩関節亜脱臼(以下,亜脱臼)の有無,麻痺側,上肢および手指の麻痺の程度,座位および歩行能力,ADL 能力を記録した.結果,ロジスティック回帰分析では,PHS の有無に対する関連因子として上肢の麻痺の程度のみが抽出された.また,入棟期間中にPHS が改善した患者に比べ,残存した患者の麻痺...
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Veröffentlicht in: | 脳卒中 2020, Vol.42(3), pp.148-155 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 要旨:脳卒中患者における麻痺側肩関節疼痛(以下,PHS)の発生要因,ならびに運動機能回復とPHS の経過との関連性について後方視的に調査した.対象は2016 年2 月~2017 年8 月の期間中に回復期病棟にてリハビリテーションを実施した脳卒中患者とした.回復期病棟入棟時および退棟時に評価を行い,PHS の有無,肩関節亜脱臼(以下,亜脱臼)の有無,麻痺側,上肢および手指の麻痺の程度,座位および歩行能力,ADL 能力を記録した.結果,ロジスティック回帰分析では,PHS の有無に対する関連因子として上肢の麻痺の程度のみが抽出された.また,入棟期間中にPHS が改善した患者に比べ,残存した患者の麻痺は重度であり,PHS の推移に運動機能は関連していなかった.今回の結果から,麻痺が重度の脳卒中患者においては亜脱臼の有無にかかわらずPHS が発生する可能性があり,また,麻痺が回復したとしてもPHS は残存しやすいと思われた. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.10688 |