卵円孔開存が存在する奇異性脳塞栓症の経過中に判明した特発性肺動静脈奇形に対し,経カテーテル的塞栓術を行った1 例

要旨:症例は68 歳女性.意識障害・右不全麻痺で発症し,頭部MRI で左MCA 領域に多発性の急性期脳梗塞,MRA で左M1 途絶を認めた.心房細動や頸動脈プラークはなく,塞栓源検索で行った経食道心エコー検査で卵円孔開存(patent foramen ovale: PFO),さらに下肢静脈エコーで深部静脈血栓を認めたため,奇異性脳塞栓症と診断した.再発予防としてリバーロキサバンを開始したが,2 カ月後に消化管出血を発症した.その際に施行した胸腹部CT で肺動静脈奇形(pulmonary arteriovenous malformation: PAVM)が判明し,経カテーテル的塞栓術を行った.奇...

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Veröffentlicht in:脳卒中 2019, Vol.41(6), pp.505-509
Hauptverfasser: 山下, 和哉, 明浦, 公彦, 寺川, 晴彦, 上田, 周一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:要旨:症例は68 歳女性.意識障害・右不全麻痺で発症し,頭部MRI で左MCA 領域に多発性の急性期脳梗塞,MRA で左M1 途絶を認めた.心房細動や頸動脈プラークはなく,塞栓源検索で行った経食道心エコー検査で卵円孔開存(patent foramen ovale: PFO),さらに下肢静脈エコーで深部静脈血栓を認めたため,奇異性脳塞栓症と診断した.再発予防としてリバーロキサバンを開始したが,2 カ月後に消化管出血を発症した.その際に施行した胸腹部CT で肺動静脈奇形(pulmonary arteriovenous malformation: PAVM)が判明し,経カテーテル的塞栓術を行った.奇異性脳塞栓症が疑われた症例では,PFO が存在していても,PAVM の合併を考慮し,胸部CT を含めた精査を検討する必要がある.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10685