妊娠38 週に右後下小脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血を来した1 例

要旨:症例は34 歳女性,妊娠38 週0 日.自宅にて突然の頭痛・嘔吐あり当院救急搬送された.当院到着直後に意識レベル低下しJapan Coma Scale(JCS):200 となった.直ちに頭部CT 検査施行し,右小脳に血腫を伴うくも膜下出血と右posterior inferior cerebellar artery(PICA)に動脈瘤を認めた.母体状態不安定であったため脳外科手術を先行することも考慮されたが,妊娠に伴い腹臥位困難と思われ,胎児娩出可能な状態であったことから,先に帝王切開術を施行し,直後に動脈瘤クリッピング術,開頭血腫除去術を施行した.胎児は問題なく退院した.母体もmRS:3...

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Veröffentlicht in:脳卒中 2019, Vol.41(5), pp.394-398
Hauptverfasser: 木村, 啓佑, 栗本, 太志, 阿部, 節, 田島, 隼人, 中村, 茂和, 渡邉, 和彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨:症例は34 歳女性,妊娠38 週0 日.自宅にて突然の頭痛・嘔吐あり当院救急搬送された.当院到着直後に意識レベル低下しJapan Coma Scale(JCS):200 となった.直ちに頭部CT 検査施行し,右小脳に血腫を伴うくも膜下出血と右posterior inferior cerebellar artery(PICA)に動脈瘤を認めた.母体状態不安定であったため脳外科手術を先行することも考慮されたが,妊娠に伴い腹臥位困難と思われ,胎児娩出可能な状態であったことから,先に帝王切開術を施行し,直後に動脈瘤クリッピング術,開頭血腫除去術を施行した.胎児は問題なく退院した.母体もmRS:3 にてリハビリテーション病院へ転院した.妊娠期のくも膜下出血は死亡率が高く適切な治療選択が必要である.母体重篤な場合でも先に帝王切開術を施行し,母子ともに良好な結果を得ることができた.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10655