光の要素性幻視を呈した外側膝状体の脳梗塞の1 例

要旨:症例は68 歳女性.左視野に青色や赤色,灰色などの光が突然目の前に出現しては数秒後に消えたり,対象物の一部の色が違って見えるといった要素性幻視と考えられる視覚症状が繰り返し生じた.自覚的な視野障害はなかったが,視野検査では左下視野に位置と大きさが左右の眼で若干異なる暗点を認めた.脳MRI では右側の外側膝状体に限局した脳梗塞を認めた.色に感受性をもつ細胞層が存在する外側膝状体は,対側視野の視覚情報を両側網膜から入力して統合し,同側の後頭葉の視覚中枢へ伝達する中継点として機能している.本例の視覚徴候は,左右眼からの色の視覚情報処理過程に障害が生じたことが示唆された....

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Veröffentlicht in:脳卒中 2019, Vol.41(4), pp.321-323
Hauptverfasser: 足立, 洋, 岩井, 優依, 太田, 雅彦, 米田, 行宏, 影山, 恭史
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:要旨:症例は68 歳女性.左視野に青色や赤色,灰色などの光が突然目の前に出現しては数秒後に消えたり,対象物の一部の色が違って見えるといった要素性幻視と考えられる視覚症状が繰り返し生じた.自覚的な視野障害はなかったが,視野検査では左下視野に位置と大きさが左右の眼で若干異なる暗点を認めた.脳MRI では右側の外側膝状体に限局した脳梗塞を認めた.色に感受性をもつ細胞層が存在する外側膝状体は,対側視野の視覚情報を両側網膜から入力して統合し,同側の後頭葉の視覚中枢へ伝達する中継点として機能している.本例の視覚徴候は,左右眼からの色の視覚情報処理過程に障害が生じたことが示唆された.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10649