Direct oral anticoagulant 服用中の未破裂脳動脈瘤に対する開頭クリッピング術3 日後に頭蓋内出血を来した1 例

症例は65 歳男性.64 歳時に多発性の脳塞栓症を発症し,Direct oral anticoagulant(DOAC)の内服が開始された.その時の精査にて未破裂脳動脈瘤を認め,クリッピング手術を行った.術前3日目にDOAC 内服を中止し,ヘパリンを投与した.術中は左前頭葉の軟膜血管からの出血を認めたが,その部位以外に脳表の出血は認めなかった.術直後,術翌日のCT において頭蓋内出血を認めなかったため,術後20 時間後にヘパリン投与を行った.また,ヘパリン投与10 時間後にDOAC を再開し,その14 時間後にヘパリンを中止した.ヘパリンブリッジ中止24 時間後(DOAC 再開38 時間後)に...

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Veröffentlicht in:脳卒中 2018, Vol.40(4), pp.275-279
Hauptverfasser: 松本, 昌泰, 久保, 慶高, 幸治, 孝裕, 吉田, 純, 小笠原, 邦昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は65 歳男性.64 歳時に多発性の脳塞栓症を発症し,Direct oral anticoagulant(DOAC)の内服が開始された.その時の精査にて未破裂脳動脈瘤を認め,クリッピング手術を行った.術前3日目にDOAC 内服を中止し,ヘパリンを投与した.術中は左前頭葉の軟膜血管からの出血を認めたが,その部位以外に脳表の出血は認めなかった.術直後,術翌日のCT において頭蓋内出血を認めなかったため,術後20 時間後にヘパリン投与を行った.また,ヘパリン投与10 時間後にDOAC を再開し,その14 時間後にヘパリンを中止した.ヘパリンブリッジ中止24 時間後(DOAC 再開38 時間後)に突然に失語が出現し,CT にてくも膜下出血,硬膜下出血を認めた.抗凝固療法中止にて,症状は徐々に消失した.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10530