被殻と視床にまたがった混合型出血の治療成績─混合型出血という分類は不要なのか

要旨:今回われわれは混合型出血の治療成績を検討したので報告する.対象は当院で経験した連続28 例の混合型出血で,男性18 例,女性10 例,年齢は41~97 歳,平均70.0 歳であった.治療方針は基本的に保存的に加療し,水頭症を合併している症例では脳室ドレナージを施行し,救命を目的とする場合には開頭血腫除去術を施行した.転帰はmRS6 は19 例に及んだ.mRS0–2 の症例はなかった.自宅退院は5 例のみであった.混合型出血の治療成績は被殻出血や視床出血より悪く,混合型出血という予後不良群を被殻出血や視床出血に含めてデータ解析をすると,被殻出血,視床出血自体の治療成績や手術適応に影響がでる...

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Veröffentlicht in:脳卒中 2016, Vol.38(1), pp.27-31
Hauptverfasser: 中川, 実, 吉本, 祐介, 河村, 茂雄, 藤原, 賢次郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨:今回われわれは混合型出血の治療成績を検討したので報告する.対象は当院で経験した連続28 例の混合型出血で,男性18 例,女性10 例,年齢は41~97 歳,平均70.0 歳であった.治療方針は基本的に保存的に加療し,水頭症を合併している症例では脳室ドレナージを施行し,救命を目的とする場合には開頭血腫除去術を施行した.転帰はmRS6 は19 例に及んだ.mRS0–2 の症例はなかった.自宅退院は5 例のみであった.混合型出血の治療成績は被殻出血や視床出血より悪く,混合型出血という予後不良群を被殻出血や視床出血に含めてデータ解析をすると,被殻出血,視床出血自体の治療成績や手術適応に影響がでる可能性も懸念される.特に手術療法の可能性が含まれる被殻出血に関しては混合型出血を除外することによって,より明確な手術適応が示される可能性がある.このことから混合型出血は被殻出血や視床出血とは別に独立して検討する必要がある.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10338