「ひとり暮らし」と脳卒中

要旨:近年,わが国の独居高齢者数は急激に増加している.今回,非高齢者も含めた独居生活者の脳卒中急性期における臨床的特徴について検討した.過去1 年間に当院で経験した脳卒中急性期症例430 例中,独居脳卒中症例は46 例(10.7%)であった.男性が多く,脳卒中病型では脳出血の頻度が高い.自力で救急要請可能であった「自力来院」症例は23.9%のみであった.発症から来院まで48 時間以上経過した症例は26.1%であり,著明な脱水,圧迫性皮膚障害の合併が半数以上に認められた.入院期間は,非独居症例と有意差を認めなかったが,回復期リハビリ病院へ転院する割合は有意に高くなっている.高齢化率の上昇,独居高...

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Veröffentlicht in:脳卒中 2013/09/25, Vol.35(5), pp.323-327
Hauptverfasser: 渡部, 憲昭, 藤井, 康伸
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨:近年,わが国の独居高齢者数は急激に増加している.今回,非高齢者も含めた独居生活者の脳卒中急性期における臨床的特徴について検討した.過去1 年間に当院で経験した脳卒中急性期症例430 例中,独居脳卒中症例は46 例(10.7%)であった.男性が多く,脳卒中病型では脳出血の頻度が高い.自力で救急要請可能であった「自力来院」症例は23.9%のみであった.発症から来院まで48 時間以上経過した症例は26.1%であり,著明な脱水,圧迫性皮膚障害の合併が半数以上に認められた.入院期間は,非独居症例と有意差を認めなかったが,回復期リハビリ病院へ転院する割合は有意に高くなっている.高齢化率の上昇,独居高齢者の増加に対応した脳卒中診療体制の構築が急務と考えられる.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.35.323