後頭蓋窩脳動静脈奇形に対するガンマナイフ治療

【目的】後頭蓋窩脳動静脈奇形に対してガンマナイフ(GKS)を行った自験例の治療成績を解析し,治療後長期経過例におけるGKSの有効性,安全性について検討した.【方法】GKS施行後5年以上の追跡が可能であった75症例をretrospectiveに検討した.【結果】累積閉塞率は3年57.3%,5年80.2%であった.若年,ナイダス体積が小さい,ナイダスの最大径と最小径の比が小さい症例で有意に閉塞率が高い結果であった.閉塞確認前に2例に出血を認めた.治療後神経症状が悪化したのは10例で,ナイダス体積が大きいこととeloquent areaに存在することが有意に予後不良因子であった.1例で放射線誘発性壊...

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Veröffentlicht in:脳卒中 2011, Vol.33(4), pp.393-400
Hauptverfasser: 松永, 成生, 周藤, 高, 末永, 潤, 猪森, 茂雄, 藤野, 英世
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】後頭蓋窩脳動静脈奇形に対してガンマナイフ(GKS)を行った自験例の治療成績を解析し,治療後長期経過例におけるGKSの有効性,安全性について検討した.【方法】GKS施行後5年以上の追跡が可能であった75症例をretrospectiveに検討した.【結果】累積閉塞率は3年57.3%,5年80.2%であった.若年,ナイダス体積が小さい,ナイダスの最大径と最小径の比が小さい症例で有意に閉塞率が高い結果であった.閉塞確認前に2例に出血を認めた.治療後神経症状が悪化したのは10例で,ナイダス体積が大きいこととeloquent areaに存在することが有意に予後不良因子であった.1例で放射線誘発性壊死をナイダス閉塞確認4年後に認めた.【結論】後頭蓋窩脳動静脈奇形に対するGKSは治療から長期経過後も安全で有用な治療法であることが示唆された.しかし治療後に神経症状悪化例も認められるため,ナイダス閉塞のみならず長期の神経機能温存を考慮した治療計画の作製が必要であると考えられる.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.33.393