一般臨床における0.6mg/kgアルテプラーゼ静注血栓溶解療法の市販後調査研究(J-MARS)の概要

「要旨」発症3時間以内の脳梗塞に対するアルテプラーゼ0.6mg/kg静注療法の薬事承認後, 一般臨床での安全性と有効性の検証を目的として, 市販後調査研究(J-MARS)が行われた. 2005年10月から2007年10月の間に, 国内942施設から7492例の症例が登録された. Primary outcomeは, 症候性頭蓋内出血(NIHSSスコア4点以上の悪化)の頻度と, 発症から3カ月後の良好な転帰(favorable outcome:mRS 0および1)の頻度とされた. 7492例を対象とした安全性解析では, 症候性頭蓋内出血の頻度は, 36時間以内が35%, 3カ月後が4.4%であった...

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Veröffentlicht in:脳卒中 2010, Vol.32 (6), p.697-703
Hauptverfasser: 中川原譲二, 峰松一夫, 岡田靖, 棚橋紀夫, 永廣信治, 森悦朗, 山口武典, J-MARSグループ
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」発症3時間以内の脳梗塞に対するアルテプラーゼ0.6mg/kg静注療法の薬事承認後, 一般臨床での安全性と有効性の検証を目的として, 市販後調査研究(J-MARS)が行われた. 2005年10月から2007年10月の間に, 国内942施設から7492例の症例が登録された. Primary outcomeは, 症候性頭蓋内出血(NIHSSスコア4点以上の悪化)の頻度と, 発症から3カ月後の良好な転帰(favorable outcome:mRS 0および1)の頻度とされた. 7492例を対象とした安全性解析では, 症候性頭蓋内出血の頻度は, 36時間以内が35%, 3カ月後が4.4%であった. 全死亡は13.1%, 症候性頭蓋内出血による死亡は0.9%であった. 一方, 4944例を対象とした有効性解析では, 3カ月後の良好な転帰の頻度は33.1%, mRS 6は17%であった. 以上から, 発症3時間以内の脳梗塞に対するアルテプラーゼ0.6mg/kg静注療法は, 日本人を対象とした一般臨床において安全かつ有効であることが確認された.
ISSN:0912-0726