rt-PA投与後の無症候性を含めた脳出血予測因子の検討

2005年10月,本邦でもrecombinant tissue plasminogen activater(rt-PA)の使用が認可され,急性期脳梗塞治療に効果を上げてきた.rt-PA投与後に脳出血を合併し重篤な予後を引き起こすことがあり,脳出血予測因子の特定が望まれている.今回,当施設において2006年3月から2009年11月までにrt-PAを投与した脳梗塞58症例を用い,脳出血合併の予測因子について検討した.NIHSS 4以上の増悪を伴った症候性脳出血は3例(5.2%)のみであった.無症候性を含め,投与後24時間以内にCTおよびMRI T2*で梗塞範囲に一致した出血性変化を伴った21症例(...

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Veröffentlicht in:脳卒中 2010/09/25, Vol.32(5), pp.455-462
Hauptverfasser: 河村, 陽一郎, 鳥橋, 孝一, 定政, 信猛, 吉田, 和道, 鳴海, 治, 沈, 正樹, 山形, 専
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:2005年10月,本邦でもrecombinant tissue plasminogen activater(rt-PA)の使用が認可され,急性期脳梗塞治療に効果を上げてきた.rt-PA投与後に脳出血を合併し重篤な予後を引き起こすことがあり,脳出血予測因子の特定が望まれている.今回,当施設において2006年3月から2009年11月までにrt-PAを投与した脳梗塞58症例を用い,脳出血合併の予測因子について検討した.NIHSS 4以上の増悪を伴った症候性脳出血は3例(5.2%)のみであった.無症候性を含め,投与後24時間以内にCTおよびMRI T2*で梗塞範囲に一致した出血性変化を伴った21症例(36.2%)を出血群として,残りの非出血群と後向きに比較した.出血群は非出血群に比べて投与前NIHSSが高く,DWI ASPECTSが低い傾向を認めた.また,MRAでの主幹動脈閉塞,部分的再開通を含めた再開通を認めた症例に脳出血合併を多く認めた.結果,rt-PA投与に際して新規梗塞の範囲が大きい程,出血の危険性が上がり,NIHSSやDWI ASPECTSは出血性変化の予測因子としても有用であることが示された.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.32.455