回復期リハビリテーション病棟における重症脳卒中患者の転帰と臨床的特徴

「要旨」:回復期リハビリテーション(リハ)病棟から在宅復帰が可能であった重症脳卒中患者の特徴を捉え, どのような要因が在宅復帰を可能にするかを明らかにすることを目的とした. 対象は初回発症の脳卒中で日常生活が重度に障害されている患者で, 運動麻痺, 認知機能, 日常生活活動(ADL), 同居家族数を調査し, 在宅復帰群と施設・転院群の2群に分けて比較した. 入院時の運動麻痺やADLは両群間で差を認めなかったが, 認知機能, 同居家族数は両群間で差を認めた. また, 入院後1週間毎のADLおよび退院時のADLは両群間で差を認めた. 以上より, 入院時の認知機能と同居家族を評価し, 入院1週間後の...

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Veröffentlicht in:脳卒中 2010, Vol.32 (1), p.86-90
Hauptverfasser: 西尾大祐, 平野恵健, 伊藤志保, 倉田睦子, 木川浩志, 大沢愛子, 前島伸一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」:回復期リハビリテーション(リハ)病棟から在宅復帰が可能であった重症脳卒中患者の特徴を捉え, どのような要因が在宅復帰を可能にするかを明らかにすることを目的とした. 対象は初回発症の脳卒中で日常生活が重度に障害されている患者で, 運動麻痺, 認知機能, 日常生活活動(ADL), 同居家族数を調査し, 在宅復帰群と施設・転院群の2群に分けて比較した. 入院時の運動麻痺やADLは両群間で差を認めなかったが, 認知機能, 同居家族数は両群間で差を認めた. また, 入院後1週間毎のADLおよび退院時のADLは両群間で差を認めた. 以上より, 入院時の認知機能と同居家族を評価し, 入院1週間後のADLの変化を確認した上で, 家族に十分な機能予後と対応策を説明し, ゴール設定を行うことが効率の良い医療を進めていくためにも大切である. 「はじめに」回復期リハビリテーション(リハ)病棟は専任の医師とリハスタッフが配置されており, 看護師, 介護職員, ソーシャルワーカーなどを含め異なった複数の専門職から構成される質の高いチーム医療を行うことで, 発症後早期から集中的なリハを施行し, 自宅への退院を推進することが期待されている1).
ISSN:0912-0726