多施設共同脳卒中データベース(Fukuoka Stroke Registry:FSR)からみた脳梗塞急性期症例の高血圧ならびに慢性腎臓病(CKD)の実態

「はじめに」高血圧は脳卒中の最大の危険因子である. 血圧値と脳卒中発症率との間には直線的な正の相関があり, 血圧が高いほど脳卒中の発症率は高くなる. 慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)は糸球体濾過率(glomerular filtration rate:GFR)で表される腎機能低下あるいはタンパク尿を中心とした腎臓の障害を示唆する所見が慢性的に(3ヵ月以上)持続する状況を包括した疾患概念である1). 最近, CKD患者における心血管疾患の発症や死亡率が末期腎不全の発症より極めて高いことが明らかにされ, CKDの早期発見と早期治療の重要性が指摘されている. CKD...

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Veröffentlicht in:脳卒中 2009-11, Vol.31 (6), p.564-569
Hauptverfasser: 北園孝成, 熊井康敬, 杉森宏, 中根博, 鴨打正浩, 大星博明, 井林雪郎, 飯田三雄, 佐渡島省三
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」高血圧は脳卒中の最大の危険因子である. 血圧値と脳卒中発症率との間には直線的な正の相関があり, 血圧が高いほど脳卒中の発症率は高くなる. 慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)は糸球体濾過率(glomerular filtration rate:GFR)で表される腎機能低下あるいはタンパク尿を中心とした腎臓の障害を示唆する所見が慢性的に(3ヵ月以上)持続する状況を包括した疾患概念である1). 最近, CKD患者における心血管疾患の発症や死亡率が末期腎不全の発症より極めて高いことが明らかにされ, CKDの早期発見と早期治療の重要性が指摘されている. CKDは, 加齢・高血圧・耐糖能障害・脂質代謝異常・肥満・喫煙などを原因として発症し, 糸球体高血圧, 血管内皮機能障害, タンパク尿の発現を惹起し, 腎不全や心血管疾患の発症へと進展すると考えられている. 今回我々は多施設共同脳卒中データベースであるFukuoka Stroke Registry(FSR)のデータを用いて, 脳梗塞急性期の高血圧ならびにCKDの実態について検討した.
ISSN:0912-0726