非根治成人ファロー四徴症に合併した奇異性脳塞栓症の1例
症例は63歳男性運転手,幼少時よりファロー四徴症を指摘されていたが,手術は受けずに観察されていた.突然の意識障害と右片麻痺を発症し当科入院.頭部MRI(拡散強調画像)にて左視床,小脳半球に新鮮梗塞巣を認めた.心臓エコーにて心室中隔欠損,右左シャントを認め,下肢静脈エコーにて両側腓骨静脈に壁在血栓,経頭蓋ドプラでは,脳底動脈に攪拌生理食塩水の末梢静脈投与によりhigh intensity transient signals(HITS)を検出し,奇異性脳塞栓症と考えた.根治手術未施行のファロー四徴症の予後は極めて不良であり,高齢者に初発した脳塞栓症例は本報告が初めてである.慢性低酸素血症に伴う多血...
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Veröffentlicht in: | 脳卒中 2009, Vol.31(2), pp.122-126 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は63歳男性運転手,幼少時よりファロー四徴症を指摘されていたが,手術は受けずに観察されていた.突然の意識障害と右片麻痺を発症し当科入院.頭部MRI(拡散強調画像)にて左視床,小脳半球に新鮮梗塞巣を認めた.心臓エコーにて心室中隔欠損,右左シャントを認め,下肢静脈エコーにて両側腓骨静脈に壁在血栓,経頭蓋ドプラでは,脳底動脈に攪拌生理食塩水の末梢静脈投与によりhigh intensity transient signals(HITS)を検出し,奇異性脳塞栓症と考えた.根治手術未施行のファロー四徴症の予後は極めて不良であり,高齢者に初発した脳塞栓症例は本報告が初めてである.慢性低酸素血症に伴う多血症により易血栓性があり,深部静脈血栓症による奇異性脳塞栓再発予防にはワーファリンによる抗凝固療法が必要であると考えた. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.31.122 |